いよいよ「平成」も残すところあと1年と少し。思い返すと、「平成」におけるクルマは激動の中にありました。
私が生まれた平成元年は、世界中で今も評判が高い「ロードスター」が誕生したほか、「スカイラインGT-R(R32)」が数々のレースで戦果を挙げ、またレクサスの初代「LS」が高級車の概念を塗り替えるなど、クルマの歴史の中でも当たり年だったと言われるほど活気に満ちていたそうです。
ところが、私が免許を取れる年齢を迎えたとき、環境は一変していました。発売されるクルマは、ミニバン…ミニバン…ハイブリッド…またミニバンと、実用性にこだわるばかりのつまらないクルマで溢れ返っていました。
最近では、必要な時だけクルマを借りる「カーシェア」が徐々に広がっており、首都圏を中心に「クルマを持ってなくても困らない」という考えが浸透しつつあります。いずれ自動運転技術と組み合わさったら、タクシーを捕まえる要領で街中を走る自動運転車を止めるだけで、誰でもクルマの利便性を享受できることでしょう。
クルマ好きにとっては悲観的かもしれませんが、実はチャンスかもしれません。そんな未来が現実味を帯びているからこそ、実用車の維持管理は人に任せて、デザインや走りにこだわった楽しいクルマを心置きなく所有できるのではないでしょうか?
それを踏まえて、その年に出たクルマの中からNo.1を決める「クリッカーオブザイヤー」で私が最高点(10点)を付けたのが「レクサス・LC」です。