デビューした17年3月に「LC」と1週間を過ごしたのですが、まさに夢のようなひと時でした。
新開発のGA-Lプラットフォームが実現した優美なスタイルの美しさに死角はなく、信号待ちでショーウィンドウにチラッと映る横姿にさえ見惚れるほど。クルマ好きの大人だけでなく、物心ついたばかりの子供でさえ目を丸くして「LC」の姿に惹き込まれていました。
試しに運転席に座らせてあげれば、上質なレザーをふんだんに使ったスポーティなインテリアの雰囲気に圧倒され、絞り出すように「すごい」とひと声。しかし、次第に笑みが零れる。これほどまで人の心を揺さぶったのは、2017年に出たクルマの中で「LC」を置いて他にありません。
もちろん、走り出せばその喜びはさらに増すばかり。新開発のマルチステージハイブリッドシステムは、特に高速域での反応が素早く、思い通りの加速が可能。従来のハイブリッドとは別物と言えるほど、爽快感と楽しさを味わえます。価格は1300万円と高価ですが、「LC」でしか味わえない味があります。
残りの10点のうち、6点は流麗なスタイルと快適な乗り心地、先進的な安全装備を備える「メルセデス・ベンツ Eクラスクーペ」に、4点をリーズナブルな価格ながら独特な世界観を見事に表現した「シトロエン・C3」に付けました。
クルマを所有することへの意識が変わり始めているからこそ、それでも“あえて所有したい”と思わせるようなクルマが登場することを、次の時代に期待したいです。
(今 総一郎)