【プジョー・5008試乗】3列シート化の影響を最小限に抑えた走りの良さが光る1.6Lターボモデル

まず、1.6Lガソリンターボのインプレッションからお届けします。3008と同様、街中から高速域まで高い静粛性が美点で、さらにフラットライドでしなやかな乗り味も健在。

アイシンAW製6ATは、日本車に積まれている同社製ATよりも少し変速にメリハリがある感じで、1-2速、2-3速間では意図的なのか少しショックも感じられます。

一方、3008よりも車両重量が80〜90kg増えているだけあって165ps/240Nmというアウトプットの1.6Lガソリンターボは、必要十分な動力性能を確保しているものの、3008ほどの速さや軽快感まではありません。

3列化されたことで懸念されるハンドリングに関しても3008の美点を継承。多様なコーナーが続く山岳路でもSUVの中ではかなり素直に向きを変えてくれる部類に入りそう。しかも、ロングホイールベース化により直進安定性がさらに高まっていて、最近のプジョーシトロエンらしい素晴らしいシャーシの仕上がりといえます。

取り回しや駐車場のしやすさなどを考えると、多人数乗車の必要性がない限り当然3008を指名した方が利点は多いように思えますが、3列シートSUVを指名するのなら選択肢に入れたい存在といえます。ただし、3008と同様、それ以上に斜め後方の死角は大きく、試乗する機会があるのなら確認しておきたいポイントです。

(文/塚田勝弘 写真/小林和久)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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