新型エンジンを得てパフォーマンスアップと環境規制をクリア【BMW 5シリーズ ツーリング試乗】

BMWのミディアムクラスの代表である5シリーズのツーリング(ワゴン)モデルがフルモデルチェンジした。開発コードはセダンのG30型に対してツーリングはG31型と呼ばれる。

5シリーズの3代目に当たるE34型からラインナップに加わったツーリングは、E39型、E61型、F11型、G31型で5代目になる。

4代目までで100万台を超える累計販売台数を誇るせいか、今回はやや消極的なフルモデルチェンジと思われるエクステリアデザインだ。もっともこれはツーリングに限ったことではなく、セダンからの流れでもある。

ただ間違いなくフルモデルチェンジだとわかるののはサイズが少しずつ大きくなっているからだ。全長+36mm、全幅+8mm、全高+10mm、ホイールベース+7mmで、全長、全幅、全高、ホイールベースはそれぞれ4943mm、1868mm、1498mm、2975mmになった。


このメリットは室内空間が増したことだ。特に後席はチャイルドシートが3脚横並びに取り付けられること、レッグスペースが+18mm広くなったことなど実感できる拡大になっている。

それでも先代モデルに対して100kgの軽量化を果たしている。7シリーズのようにCFRPを使った訳ではなく、アルミニウム合金と超高張力鋼板の多用によるものだ。

ラッゲージルームの使い勝手が向上している。後席バックレストを倒すのは、テールゲートを上げてラッゲージルームの横の内張にある電気スイッチを操作すればいい。

またラッゲージネットとトノカバーを巻き取るバーは、両方ともフロア下に収納できるようになったから、大きな荷物を積むときには便利でスマートになった。テールゲートはガラス部分だけでも開けられる方式は代々継承されている。

遠くからシルエットで見ると消極的だと感じたエクステリアだが、近くに寄ってよく見るとキドニーグリルはシャッター付きになっているし、Dピラーの傾斜もやや強くなったようだ。

真後ろから見ると実際の寸法拡大よりもっと広く感じる。これはテールランプの形状によるもので、ワイド感を強調するデザインになっている。