小型クロスオーバーワゴンを名乗るスズキ・XBEE(クロスビー)が、2017年12月25日に発売されました。
気になる価格は、176万5800円〜214万5960円。エンジンは1.5L自然吸気エンジン相当の高出力・高トルクを誇る1.0L直噴ターボとISGの組み合わせになるマイルドハイブリッドのみで、6ATとの組み合わせになっています。燃費は2WDが22.0km/L、4WDが20.6km/L。
鈴木俊宏社長は、プレス向け発表会の冒頭で、2020年に100周年を迎えるにあたり、2018年はあらゆる可能性に挑戦する1年にしたいとしています。
クロスビーもこうした挑戦への1台で、チーフエンジニアである髙橋正志氏は、「コンパクトでありながらSUVスタイルと高い居住性、最低地上高や4WDの設定などによる悪路走破性の高さ」を特徴と謳っています。
また、ハスラーと似ているという指摘に対しては、髙橋正志氏は「4年前の東京モーターショーでハスラーを出展した際に、登録車版も出して欲しい」という声に応じた経緯があり、デザインや質感の面でも異なったテイストを与えられています。決してハスラーの成功だけで二匹目のドジョウを狙いにいったのではないとしています。
インパネは、パイプフレームなどにより、ハスラーよりもさらにSUVらしいタフなイメージを強調し、スポーツ、スノー、グリップコントロール、ヒルディセントコントロールを並べた4WD車のインパネセンタースイッチも室内のアクセントになっています。
また、鈴木社長は、ハスラーとクロスビーを2台並べてもらえれば違いがよくお分かりいただけると思いますし、かつての「(なんとか)ワイド」とは違い(ワゴンRワイドのこと)、今回はクロスビーという名前もあると強調。
さらに、ハスラーと競合するよりもイグニスとのいわゆる「共食い」に関しては、可能性があるとしていますが、似たようなクラスであっても異なる個性を与えることで、多くの選択肢を与えたいとしています。
確かに、イグニスという全長3700mmのコンパクトクロスオーバーモデルがあるのにも関わらず、全長を60mm延ばし、全幅はわずか10mmしか違わないXBEE(クロスビー)を発表したのでしょうか。
11月時点で登録車10万台を記録したというスズキ。できるだけ早く月販1万台を達成、年間12万台を目指すとしています。軽自動車については、今期の54万台を達成したいとしています。
その理由は、年々伸びているSUVマーケットに対応するためで、コンパクトカーとSUVという得意分野を活かして同市場でさらに拡販を狙う背景があります。
イグニスは、よりパーソナル感のあるフォルムとパッケージで個性的な外観などが魅力。一方のクロスビーは、全高を高めたことでアップライトな乗車姿勢として居住性を向上。荷室もより広く、大開口のテールゲートもあって9.5インチのゴルフバッグが後席を倒さず横積みできます。
(文/写真 塚田勝弘)