【全開テスト】 TOYO TIRES「OPEN COUNTRY」の実力をダートで試す! オフロードだからこそ分かった、OPEN COUNTRY M/TとR/Tの違い

2017年シーズン、全日本ラリー選手権に参戦したラリードライバーの新井敏弘が、TOYO TIRESの「OPEN COUNTRY M/T(オープンカントリーエムティ)」と「OPEN COUNTRY R/T(オープンカントリーアールティ)」をテストした。用意された車両も『普段はあまり乗る機会のない』という、フルサイズピックアップのフォードF150ラプター。テストトラックは、新井自身も走行経験をもつオートパーク今庄のグラベルロードとなる。

まず、ステアリングを握ったのは、オフロード性能を重視した「OPEN COUNTRY M/T」を装着するブルーのラプター。前日まで降り続いた雨により、コースの各所にウエットが残っており、かなりスリッパリーなコンディションとなったが、新井は時折ドリフトを織り交ぜながら抜群のスピードで駆け抜けた。

「乗ってみた第一印象は、安心感があるということ。トラクション性能が高く、今回のように濡れてマディなコンディションにおいて、しっかりと路面を掴んでくれます。ある程度のラフロードで攻めると、よりグリップレベルの高さを実感できると思います。車両を横にしながらアクセルを踏んでいる時、グイグイと前に進んでくれますからね。そもそも滑ってトラクションが抜ける状況が、ほとんどありませんでした」

TOYO TIRES OPEN COUNTRY M/T

特にどういった局面で、OPEN COUNTRY M/Tは力を発揮するのだろうか。

「日本でも山間部に入ると、かなり荒れた道があります。今回使ったコースのように路面は硬くありません。もっと土がフカフカしていたり、雨がふればマディになります。そういった状況でも安心して走れるはずです。でもオフロードコースで遊ぶのであれば、この抜群のトラクション性能だと車両を振り回すのは難しいかもしれません。どうしても安定してしまうんです」
オフロードとオンロード、どちらも楽しめる「R/T」

続いて新井はブラックのラプターに乗り換えた。こちらにはよりオンロード性能を重視した「OPEN COUNTRY R/T」が与えられている。

アメリカ製エンジン特有の低いエンジンサウンドを響かせながら気持ちよくドリフトを決めると、続いて市街地へと向かい、オンロードでも試してみる。

「このロードノイズの低さは驚きですね。とてもジェントルで静か。こういったSUV用タイヤでは走行音が気になることが多いんです。それにゴツゴツ感もなくて乗り心地も素晴らしい。これなら滑りやすい路面状況でも楽にコントロールできるはずです」

TOYO TIRES OPEN COUNTRY R/T

そして「OPEN COUNTRY R/T」はオフロード走行も十分堪能できるようだ。

「オフロードでは滑らせるとことができるので面白かったです。トラクション性能はOPEN COUNTRY M/Tほどではないですが、OPEN COUNTRY R/Tの方が楽しめるはず。車両が滑っている状況でも不安感がなく、しっかりとしているのは流石ですね。私の好みとしてはオフロードとオンロード、どちらも楽しめるOPEN COUNTRY R/Tの方を選ぶかもしれません。通常の状況ではしっかりと走ってくれて、非日常ではより振り回すことができますから」

TOYO TIRES OPEN COUNTRY R/T

そして、アピアランスの重要性を改めて感じたことを付け加えた。

「こういったタイヤには見栄えがとても重要だと思うんです。外から眺めた時、タイヤのトレッド面の凹凸をしっかりアピールしていました。このゴツゴツしたマッチョな雰囲気は、SUVやクロスカントリーモデルにぴったりとハマりますよね。ひと目で“人と違うタイヤ”だと分かるのはオーナーとしても嬉しいと思います。あえてタイヤを替える状況を考えると、性能はもちろんですけれど、ファッション性をアピールすることもすごく重要ですから」

TOYO TIRES OPEN COUNTRY R/T

普段はラリーカーでのテストが中心のため、今回のようにオフロードをピックアップで走行するのは、彼にとっても新鮮だったと新井は振り返る。

「あまりこういった機会がないので、とても新鮮でした。そして違う条件で比較できたことが面白かったです。今回はインプレッションがメインでしたが、タイムを計るとさらに見えてくる部分があったかもしれません。普段、私がドライブしているラリーカーと比較すると、今回のラプターはボディサイズがかなり大きいですし、重量もあります。その中でタイヤをどう使えばいいのか、考えながら走りました」

TESTER◎新井敏弘(Toshihiro ARAI)
TEXT◎入江大輔(Daisuke IRIE)
PHOTO◎小林邦寿(Kunihisa KOBAYASHI)