製造中止のパーツ供給などを含む「NISMO ヘリテージ」活動がスタート。第1弾は「R32・GT-R」

2017年11月24日、日産自動車、ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル(ニスモ)、オーテックジャパンの3社が「NISMO ヘリテージ」活動を発表しました。

これは、ホンダの初代NSXの「NSXリフレッシュプラン」、マツダの「NAロードスターサービス」など似たようなサービスともいえるもので、日産のパフォーマンスカーを乗り続けられるようにサポートをする活動で「NISMO ヘリテージ」と命名されています。

さらに、製造廃止になった部品が「NISMOヘリテージパーツ」として12月1日から発売されます。「NISMOヘリテージ」は、日産、ニスモ、オーテック(ニスモ・カーズ事業部)の3社とサプライヤーが共同で、製造廃止になった部品の再供給を検討し、可能な範囲でサポートする活動。

「R32型(1989年8月~1995年1月販売)」のスカイラインGT-Rを対象に、長年スカイラインGT-Rのオーナーと接してきたニスモが、「NISMOヘリテージパーツ」として日本国内で販売することからスタートします。

R32型GT-Rの専用部品のうち、走行や車検に必要不可欠な重要部品を中心に、すでに製造廃止になっている部品について再生産、再供給を検討した結果、まずは、ハーネス、ホース/チューブ、エンブレム、外装部品など、約80部品から販売を開始。

当時、部品を供給していたサプライヤーの中には、継続生産が困難な企業もあるそうで、当時と同じ状態で生産することは難しいため、再生産で対応できないものは、代替やリプレイス、リビルトやオーバーホール、NISMOチューニングパーツでの対応を検討しているとのこと。

今回、発売される「NISMOヘリテージパーツ」は、11月26日に富士スピードウェイで開催される「NISMO FESTIVAL」で特設ブースにてお披露目されます。さらに、R32型のアイテムの追加、R33、R34型GT-Rへの拡大を検討していく予定だそうです。

先述したホンダ、マツダのほか、ジャガー・ランドローバー(レストアなどは本国の英国で展開)やボルボ(ボルボ東名横浜)などもレストアやクラッシックガレージなどを展開しています。

日本では車歴13年超のクルマ(ディーゼルは11年超)は、自動車税が高くなり、重量税も高くなります。少なくても税制面では、ますます旧車に乗りにくい状況になってしまっていますが、こうした文化を後押しする自動車メーカーの姿勢に国側も少し配慮してくれれば……と思わずにはいられません。

メーカー、ユーザーが声を上げて、「買い替えこそエコ」という一面からしか見ていない単純な発想からの転換を促せれば、豊かで奥行きのあるクルマ文化が育つように思えますし、今回の日産(ニスモ、オーテック)の発表により、さらに他メーカーにも広がることが期待されます。

(塚田勝弘)

 

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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