【空力ボディ】FISCOのテストランでセッティング
パワーばかりを追求しても300km/hをオーバーするのは容易ではない。それは何故か。空気の壁が予想よりはるかに厚いからだ。空気抵抗を小さくしない限り、300km/hを超えられないのだ。
HKSセリカの特徴はフロントとリヤスポイラー。地面に向かって大きく張り出たフロントスポイラーはFRP製。これにリップ部を設けて空気抵抗減を狙っている。リヤは大型のウイングが装着されている。かつて使用したウイングよりは小型だが、それでも大きい。これはFISCOでのテストによって装着に踏み切ったということだ。これらの空力パーツによって直進安定性と共に空気抵抗を減らしているのだ。更に大幅に軽量化してあるため、リヤのトラクション不足も招いてしまい、ガソリンタンクの前に40kgのバランスウェイトを積んでいることも見逃せない。
【サス・タイヤ】リヤタイヤはレーシングスリックを採用
5M-GEUのツインターボ(インジェクション仕様)のときはコニのダンパーを使用していたが、今回はモンロー製に変更されている。前後とも低圧のガスショックである。コイルスプリングは、このマシン専用に巻いたスペシャル。タイヤはレーシングスリックが使われた。前後ともポルシェ956などのグループCカーが使用しているものと同じであったが、バンク内でフロントタイヤが当たってしまうため、市販用のBFグッドリッチに交換。
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さすが、社運を賭けたがごとくスペシャルな仕様が各部に施されたHKS・M300! これが、光永パンテーラに続き300km/hオーバーを記録した国産車初300km/hオーバーマシンなのです。さて次回は、この日同時にテストされた雨宮RX7・12Aツインターボ(SA)と、トラスト・セリカXXツインターボ&トリプルターボをチェックだ!
【OPTION 1984年3月号より】
(Play Back The OPTION by 永光やすの)
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