【レンジローバー・ヴェラール試乗】「第4のレンジローバー」はスタイリングも走りも新境地を切り開く

レンジローバー(ランドローバー)といえば、いわゆる「コマンドポジション」と呼ばれる着座姿勢や前方の視界の良さ、大きさを感じさせない取り回しの良さを実感できます。

弟分のイヴォークはコマンドポジション的な姿勢に近いものの、少し足を投げ出すような着座姿勢になるので、より「レンジローバー的」といえるのはヴェラールといえそうです。

エンジン縦置きのヴェラールは、ジャガーF-PACEと同じプラットフォームを使ったFRベースの4WD。全車にインテリジェントドライブラインダイナミクス(IDD)を搭載し、走行状態により前後、後輪左右のトルク配分を最適に調整するもの。

F-PACEは、イニシャルでのトルク配分は前後「10:90」となっていますが、レンジローバーは、悪路での高い走破性も求められることから基本の前後トルク配分は「50:50」になっています。

この点がオンロードでの走りにも大きく影響していて、F-PACEのように滑りやすい路面で少しお尻が出るような挙動を揺することなく、大雨の中でも安定した走りを披露してくれます。もちろん、FRベースらしい切れ味の鋭さも味わえますから、オンロードの走りを楽しめるのはもちろん、スキーエクスプレスとしても頼りになりそう。

試乗車は380ps/450Nmの3.0L V6スーパーチャージャーを搭載。スーパーチャージャーらしく中・低速域から分厚いトルク感があり、急な上り坂でも動力性能に不満は感じさせません。

新たに加わったレンジローバー・ヴェラールは仕様によっては軽く1000万円を超えますが、レンジローバー・スポーツとは異なるデザイン手法で仕立てられた内・外装は魅力に感じる方も多いはずで、弟分のイヴォークのように新たなレンジローバーのファンを獲得する看板モデルになりそうです。

(文/塚田勝弘 写真/ダン・アオキ)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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