【東京モーターショー2017】トヨタ車体の「ワンダー・カプセル・コンセプト」は2人乗りの超小型モビリティ

EVと聞くと、大量のバッテリーを搭載して数百kmの航続距離を実現する、乗用車タイプのクルマを思い浮かべがちですが、燃料補給が不要の近距離コミューターとしてのニーズも期待されています。

そうした小型EVのジャンルでは日本の第一人者といえるのがトヨタ車体。コンビニエンス・ストアの配送などに使われている「コムス」を生み出しているメーカーと聞けば、その実績に納得できるのではないでしょうか。

そのトヨタ車体が第45回 東京モーターショーに出展していた小型EVのコンセプトカーが「ワンダー・カプセル・コンセプト」。このモデルは、コムスの発展形というよりも、コムスでの経験を活かした超小型モビリティという位置付け。

超小型モビリティというのは、国土交通省などが規格化を進めている自動車未満、ミニカー以上といえる新カテゴリーの乗り物で、カーシェアリングなどでの活用が考えられている期待のカテゴリーです。

トヨタ車体の「ワンダー・カプセル・コンセプト」のボディサイズは、まさに超小型モビリティをターゲットにしているもので、今回のショーモデルはカーシェアリングやライドシェアリングの時代を想定したデザインスタディ、アイデアの提示といえるものです。

クルマが乗る人に合わせてステアリングやペダルの位置を自動調整するオート・アジャスト・ポジション機能や、スタイリングの特徴となっている直立したフロントガラス「パノラミック・ビュー・スクリーン」に様々な情報を表示することで、不慣れな土地でのシェアリングユースをサポートします。

なお、今回のコンセプトカーでは充電方式については未定ということですが、空気圧チェックが不要なエアフリータイヤを履いていることもあり、非接触充電を実現すればユーザーの手間いらずな、メンテナンスフリーのカーシェアリングに最適な超小型モビリティとなることウケアイです。

ちなみに、ラゲッジスペースはシート背面部分とフロントフードの下に確保。キャビン後方のドアを開けることでラゲッジスペースへのアクセスが容易となっているのも特徴。シェアリングユースで便利なデザインとなっています。

●トヨタ車体「ワンダー・カプセル・コンセプト」主要スペック
全長:2500mm
全幅:1300mm
全高:1600mm
乗車定員:2名
モーター形式:埋込磁石型同期モーター
定格出力:6.7kW
最高出力:8.0kW
最大トルク:55Nm
駆動方式:1モーターデフ付き後輪駆動
バッテリー総電力量:6kWh (リチウムイオン電池)
定格電圧:90Vdc
タイヤ:エアフリータイヤ

(山本晋也)

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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