東京モーターショーに出展しているのは自動車メーカーだけではありません。業界的には「Tier(ティア)1」と呼ばれる一次下請け企業をはじめ、各パーツにおける大手企業もブースを出して、自社の技術や構想をアピールしています。
グローバル展開していることが当たり前のティア1ですから、世界的な企業が東京モーターショーに集まっています。その中でも日本を代表するうちの一社といえるのが、アイシン・グループです。
駆動系、ステアリング系、ブレーキ系、電気系と様々な事業からなるアイシン・グループを構成しているのは、アイシン精機株式会社、アイシン高丘株式会社、アイシン化工株式会社、アイシン・エィ・ダブリュ株式会社、アイシン・エーアイ株式会社、株式会社アドヴィックスの6社。
今回の東京モーターショーでは、グループ全体で取り組んでいる「ゼロエミッション」、「自動運転」、「コネクティッド」といった分野における進捗状況などが発表、展示されています。
その中でも注目されるのが、世界的にトレンドとなっている電動化に対応した新提案「1モーターハイブリッドトランスミッション」と、電動4WDや純電気自動車にマッチする「eアクスル」です。
アイシン・グループといえば、トヨタのコア・テクノロジーといえる2モーターハイブリッドのパートナーとしても知られているところですが、モーターと8速ATを組み合わせた独自の1モーターハイブリッドには、そうした経験も活かされているといいます。この前輪駆動用ハイブリッドユニットは、2018年度内に量産されるという、デビュー間近の技術です。
そのほか、「自動運転」関連ではドライバー異常時対応システムをはじめとする車両運動統合制御や、カーシェアリングを意識した無人の自動バレー駐車なども提案。これは2020年までの実用化を目指しているということです。
「コネクティッド」分野では、クルマがユーザーの気持ちや状況を先読みして常に快適なドライブを提供するおもてなしサービスを提案しています。具体的には、ルートや時間帯から子供を迎えに行くと判断すると後席にインストールされたチャイルドシートを自動的に展開するといった、かゆいところに手が届くサービスが期待できる技術です。
アイシン・グループのブースといえば、筐体を青く塗ったトランスミッションのカットボディというイメージも強いところですが、東京モーターショーでの展示では、そうしたカラーを一新。より、シンプルに、そして上質な展示へと変わったことも、新時代に向けての姿勢をアピールしているようです。
(山本晋也)