【2017新作スタッドレス】最新のハイト系専用スタッドレス「ウインタートランパス」に乗って感じた4つの進化

2.氷上ブレーキングも進化を実感

このタイヤが従来品に比べて向上したとしてメーカーが謳うのが「アイス制動」、つまり氷の上でブレーキをかけたときの「止まる力」です。まるでテストしてくれといわんばかりに、雪道の先には、クルマは日本の冬によくあるアイスバーン路面があるじゃないですか。しかも、表面が溶けて滑りやすくなった、とても手ごわい路面。こういう路面、スタッドレスタイヤの性能がダイレクトにモノを言うんですよね。

結論から言うと、従来品に比べてピタッと氷を捉えてグリップする力が増しているのは間違いありません。メーカーのPRポイントに偽りなしですね。従来品とトランパスTXで同じように氷上路面で比べると後者はより安心でき、もちろん安全性にも結び付きます。

3.絶対的グリップで差が明確に

従来品とトランパスTXで氷上でのグリップの違いが明確に感じられたのは、スケートリンクのような氷上路面での定常円旋回。同じように走っても従来品に対してトランパスTXは滑り始めるタイミングが遅いし、滑り始めたあとのグリップ回復が早い! コントロール性だっていい!

これ、過酷な冬の路面を走る時には如実な差となって現れることでしょう。

4.レーンチェンジでの操縦性も違った

パイロンスラロームで従来品とトランパスTXを比べてみると、トランパスTXではハンドル操作に対するクルマの動きが明らかに素直。雪上というクルマをコントロールしにくい路面状況でも、まるでクルマがドライバーの意図に逆らうのをやめて素直になったかのように気持ちよく右に左に曲がるようになりました。レーンチェンジもしやすいですね。

こうして実際に過酷な路面の上で走らせてみると、しっかりと性能を身につけていることを実感できました。背の高いクルマに乗っているなら、今シーズンもっとも注目のスタッドレスタイヤといえそうです。

(工藤貴宏)

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この記事の著者

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工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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