今年のスーパー耐久はマツダが強い! 富士10時間ではデミオディーゼルがクラス優勝。車ごとに異なる「強み」とは?【スーパー耐久2017】

その異変とはマツダ車の隆盛! 富士10時間レースではデミオディーゼルのDXLアラゴスタNOPROデミオSKY-Dが5時間以上もトップを走り優勝を飾りました。

2位となったNDロードスターの村上モータースMAZDAロードスターNDは富士10時間と開幕戦のもてぎ以外は今シーズン全て優勝の3連勝。

SUPER TEC富士10時間という長いレース時間の中ではトラブルなども起こりやすいはずですが、優勝と2位のマツダ勢には大きなトラブルもなく、2位のロードスターにペナルティが2回あったのみ。

10時間走って1分しか差がなかった両者ですが、熾烈な争いの末にデミオディーゼルが優勝を果たしました。オートポリス戦のマツダ車表彰台独占に続いての表彰台は一番高い場所となったのです。

NDロードスターは予選でトップを獲得し、そのまま逃げ切ってのポール to ウィンというスタイルでの勝ち方ですが、デミオディーゼルの場合はピット時間の短さで勝負をかけます。

レース中の給油が20リッターまでに制限されているST-5クラスでは、毎回給油が当たり前となりますが、デミオディーゼルの場合は義務ピット回数が多ければ給油をしないでピットアウトできるスティントもあるだけにピット作業時間は大幅に短縮できます。

またディーゼルゆえに高回転は不得手でトップスピードは伸びきりませんが、アップダウンの大きなコースでの登りセクションはトルクの太さでグイグイ登っていきます。富士で言えば第3セクターはほぼ最速といえるかもしれません。そのため完全なスポーツカーのNDロードスターにも一矢報いることが出来るのです。

そしてマツダ勢優勢のもうひとつの雄、というよりもむしろマツダ車優勢を引張っているのがNDロードスターといえます。現在このクラス唯一の後輪駆動車でなおかつ低く小さい。運動性はハッチバックばかりのホンダ、トヨタ勢に比べれば圧倒的に有利で、昨シーズンのうちにネガをつぶしまくったおかげで今年は安定した速さを誇るに至ります。

NDロードスターは今年は一大勢力となっており、Nissoku ND ROADSTERとLOVE DRIVE RACING ロードスターを含めて4台も参戦しているのです。

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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