【新車】新型リーフ発表を聞いた旧型オーナーの心のボヤキ その1「買ってみてわかった、電気自動車がある生活とは?」

リーフの主な用途は、レジャー、買い物、そしてたまに仕事先への移動。それもほぼ往復100km以内であり、メーカー公証300㎞の航続距離には満足しています。というよりも、距離についてはほとんど心配をしたことがないんです。

我が家は、神奈川県横浜市の北側に位置しており、東名高速道路と第三京浜道路の間に挟まれたところに住んでおります。都心へ出るのも第3京浜で20分、ちょっと足を伸ばして箱根まで行っても、東名高速道路と小田厚木道路で1時間ちょっとと、アクセス良好なこともあり、No充電で帰ってこられるのです。

強いてあげると、深夜に外出から帰ってきたときに、翌日の移動のために急速充電器のあるディーラーを夜中に探し回ったことくらいです。それも、夜間に急速充電が使えるディーラーを決めておけば悩むこともなくなりました。

また実は、自宅で充電したことが1度もないのです。もちろん、充電するための200V設備の工事はしているのですが、あの充電ケーブルを出し入れするのが非常にめんどくさいのです。リーフオーナーにはあるあるかもしれません。最近のスマ―トフォンのように、地面に埋め込んだ充電スポットの上にクルマを置くだけで充電できるようになるといいのだけれど。[nextpage title=”旧型リーフの良いところ、ちょっとだけイヤなところ”]

このクルマの最高に良いところ、それは、クルマの周りの空気が涼しいということ。

この感覚、オーナーであれば分かりますよね。窓を開けて、風が吹き込む、クルマからの余計なノイズもなく、すーっと空気が入ってくる感覚。まるで、動力がついていないグライダーかのように、空気中を進んでいく感覚なんです。

また電気で走っている=ガソリンを消費していないというのは気分的に良いものです。

人とは違うものが好き、不便さを楽しめる、そんな人にリーフはオススメ。そう思えない人は検討すらしてはいけないと思います。買った後に文句を言うオーナーさんもいますが、買う前に腹をくくれ!と言いたいです。

リーフ乗りの方との情報交換や交流が楽しいのです。無充電での走行報告を見ると、頼もしく自分もやってみたいと思います。スリルを楽しみたいわけではなく、い分も報告する側に回いたい

ちょっとだけイヤなところは、「2年フルで使用した携帯電話が1日持たない」と同様にリーフのバッテリー劣化は進みます。EVに生活を合わせれば問題ありませんが、いっそのこと、TVコマーシャルで「2000円でどこまでも行ける」とは言わずに、「通勤にはリーフです!往復100km程度の方にお勧め」とすれば良いのに、なんて思います。

それから、前述しましたが充電ケーブルの取り扱いが面倒です。出したりしまったりする動作が毎日となると、面倒くさくなってしまいます。今回、プロパイロットパーキングもできましたし、充電機の上へ正確に駐車できるなら、無線充電が実用化されないものでしょうかね。

スタイリングには文句は言わないつもりでしたが、本音ではこのずんぐりむっくりな姿は、どうしても受け入れにくいものです。デザインはシャープに、全高は低く、フェンダーとタイヤ隙は最小限に、とにかくカッコよくなってほしいものです。

一時期、リーフのCMで、180SXに0-400加速対決をして勝利する、というのがありました。「まさか!」という衝撃を与え、視聴者を惹きつけたのは間違いありません。決してフェイクではなく、180SXのエンジンパワーよりも、リーフのモーター特性が、ゼロ加速のシーンで勝っているんです。あの映像を見た人が、その理由を知りたくて乗ってみようと思って買ったという話も聞きました。ある意味、性能アピールとしては、すばらしいCMだったんじゃないでしょうか。

でもあのCMをみていると、私はとても悲しいのです。日産の過去のスポーツカーに恨みでもあるのか?と問いたくもなります(古くからのブランドある車名を葬り去る企業らしさを発揮していますね)。

新型は旧型よりも良い、飛躍すると旧型は悪である、と暗に示しているように思えてなりません。新型が発売されたら、現行オーナーは惨めな思いをするのかと考えてしまいます。旧型リーフを拡販してきたメーカーに、我々のようなユーザーを置いてけぼりにしてほしくありません。もっとオーナーのことを大切にしてほしいものです。

と、ここまで卑屈になることはありませんが、せめてもの願いは、旧型オーナーへの最大の懸念、劣化バッテリーへのサポート(交換)を明確に実施してほしい、というものです。

(吉川 賢一)

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この記事の著者

Kenichi.Yoshikawa 近影

Kenichi.Yoshikawa

日産自動車にて11年間、操縦安定性-乗り心地の性能開発を担当。スカイラインやフーガ等のFR高級車の開発に従事。車の「本音と建前」を情報発信し、「自動車業界へ貢献していきたい」と考え、2016年に独立を決意。
現在は、車に関する「面白くて興味深い」記事作成や、「エンジニア視点での本音の車評価」の動画作成もこなしながら、モータージャーナリストへのキャリアを目指している。
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