BMWは2021年の自動運転車に「駆け抜ける喜びモード」スイッチを設定!?

今年のドイツ・フランクフルトモーターショーでは予想通り、電動化の話と自動運転のお話が主役。

その中でBMWは、すでに2016年の「BMW創業100周年」の時に100周年記念コンセプトカー「Vision NEXT100」のお披露目と共に2021年までに完全自動運転車「i NEXT」を発売すると発表しています。

そして今回のフランクフルトモーターショーでは2025年までにBMWは25の電動化モデルを導入し、そのうち12種類がEVということを発表し、コンセプトモデル「i Vision Dynamics」を公開しました。

プレスコンファレンス終了後、自動運転の担当者の方にお会いし、短い時間でしたがお話を伺いました。

まずは2016年にBMWはインテル、モービルアイと共に3社の自動運転の分野で提携することを発表していて、インテルの自動運転プラットフォーム「Intel GO」とモービルアイの画像処理プロセッサ「Eye Q」を組み合わせた40台の「BMW 7シリーズ」で公道テストを開始していますが、今年の年末までに第三のメーカーがこのプロジェクトに加わるとか。そうなると2021年の発売がさらに遅くなる可能性があるとのこと。

他の自動車メーカーが自動運転に関して前のめりなのにもかかわらず、意外にもBMWは自動運転に慎重なのかもしれません。

また自動運転のカギともいえる「ダイナミックマップ」についても聞いてみました。ちなみに「ダイナミックマップ」とは、リアルタイムに情報を入手することが可能な「高性度空間情報」のこと。

『2021年までに自動運転のレベル3〜5になることを考えると、特に「レベル4」と「レベル5」ではAIは不可欠。クルマにはカメラ、レーダー、レーザーなどが搭載されますが、カメラ+地図だけでは誤差で10㎝以内の精度を保つのが難しいため、道路上にある物体などをリアルタイムにクルマに伝えるために「ダイナミックマップ」が自分たちは必要だと思っています』

 

そして私が一番気になっていたこと。『もし完全自動運転になった場合でも、自動運転中にBMWの有名過ぎるキャッチフレーズ「駆け抜ける喜び」はどう保つのですか?』という質問に対して、

『自動運転中は3つのモードが考えられます。ひとつは生産的(オフィス)業務。もうひとつはエンタテイメント。そしてリラックスです。もし自動運転中であってもBMWらしい「スポーティ」なモードスイッチを作り「駆け抜ける喜び」を提供したいと思っています』

スケジュールが遅れる可能性は、第3のメーカーの参加ではなく「駆け抜ける喜び」スイッチの設定にある、のかも!?

吉田 由美