トヨタが仲間作りを加速! EV開発のための新会社「EV C.A. スピリット」を設立

一方、EVの普及・販売台数が不透明で読めないなか、求められるクルマ像は地域やニーズにより多種多様のため、各自動車会社が単独で全ての市場やセグメントをカバーするには膨大な工数、費用、時間が必要になるという課題があります。

そこで、トヨタ、マツダ、デンソーの3社は市場動向に柔軟かつ迅速に対応するため、幅広いセグメント、車種をカバーできるEVの基本構想に関する技術を共同で開発することに合意したという訳です。

「トヨタ」のHV・PHVで培った電動化技術や、「マツダ」の低コストで少量多品種開発など、それぞれが強みを持っており、そこへ電装品開発に長けた「デンソー」が加わることで、新会社では軽自動車からSUV、小型トラックまで幅広い車種に対応したEV開発が可能になると予想されます。

また、新会社ではオープンな体制作りを目指しており、小型車を得意とするダイハツやスズキ、中型車を中心とするスバル、商用車の日野自動車にも参加を促すとみられ、仲間作りを進めることで各社が保有する技術力を結集、急速な世界情勢への変化に対応する考えのようです。

一方、ルノー・日産・三菱連合は2020年までにEV専用の共通プラットフォームを開発、2022年までに12車種のEVを発売する計画のようで、独VWもグループで2025年までに50車種のEVを投入、世界販売の25%をEV化する方針とか。

欧州大手のダイムラーやBMWに加え、テスラや中国のBYD等がEV攻勢をかけるなか、今後、新会社「EV C.A. スピリット」が、いかに魅力的なEVを送り出して来るのか、海外メーカーからも大きな注目を集めそうです。

Avanti Yasunori・画像:TOYOTA)

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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