会社とともに時代を駆け抜けてきた「野生馬」【意外と知らないクルマメーカーの歴史・フォード編】

初代から徐々に獰猛さが抑えられてきた「マスタング」。1979年の4代目も小型化の影響を受け、ついにエンジンは2.3L 直4ターボを搭載。また、デザインも角張った造形へと大幅に刷新されました。

しかしながら、1980年代初頭には再び好景気を迎えた結果、これまでとは逆にハイパフォーマンス指向が再燃。1993年に登場した5代目ではプラットフォームを踏襲することでボディサイズを維持しつつ、一方でエンジンは3.8L V6と5.0L V8が用意されました。

2005年デビューの6代目では「リビングレジェンド戦略」に基づき、初代モデルで好評を博した流麗で力強いルックスを取り戻すことにも成功。

2015年に登場した7代目もそのデザインをベースに洗練されたほか、エンジンは怒涛の性能を誇る5.0L V8と環境性能を考慮した2.3L 直4ターボを搭載。さらに、左側通行の国での販売も促進するために右ハンドルを用意するなど、これまで以上に市場を取り巻く事情へ配慮するほど意欲に溢れていました。

日本でも台数限定の先行導入が行なわれ、右ハンドルモデルやV8搭載車の販売が本格スタートするはずだったのですが、先述したようにフォードの撤退で計画は白紙に。

これからというタイミングだっただけに残念な結果となりました。再び、日本を駆け抜ける姿を期待したいです。

(今 総一郎)