終盤戦の飛躍をめざす、SUBARU BRZ GT300の鈴鹿ラウンドを振り返る【SUPER GT2017】

鈴鹿サーキットは東西に長いコーナーリングコースですが、メインストレートと西ストレートの2本のストレートがあります。この2本のストレートでのハンデをいかにコーナーリングとブレーキングで詰めていくかが勝負の分かれ目となります。

S字コーナーからスプーンカーブに至るコーナーリングセクションでは前を走るライバルをギリギリまで追い込んでいきます。しかし、ストレートに至るまでに抜ききることが出来ません。このスパイラルが延々と続きます。

そのスパイラルを打破する作戦としてピットワークがあります。鈴鹿1000kmではドライバー交代を伴う義務ピットインが5回に設定されているために、1回のピット時間を短縮すれば5回ともなれば大きなアドヴァンテージとなります。

ピットワークではタイヤ交換がかなりの時間を占めます。そのタイヤ交換でBRZの強みが出てきます。フロントタイヤにやさしいマシンの設計のためピットイン5回のうち2回はリアタイヤのみの交換、そして1回は無交換でピットアウトし、作業時間を短縮。

その甲斐もあって、中盤頃には3位にまでポジションをアップすることに成功。その後も粘りながら7位でフィニッシュを迎えます。

レース後には井口選手も山内選手も悔しさを隠してはいませんでしたが、山内選手は「現状のルールの中ではベストなレースをしたかもしれません」とも語っていました。

しかし辰己監督は「ドライバーの働きに応えられなかったかもしれない。予選で前に出ていないといけない状況でしたが予選順位が低迷したのが最後まで響いた」と述べ険しい表情を見せていましたが、「しかしエンジンパワー以外ではもう負ける要素は無いかもしれない」と力強い言葉も述べられていました。

「応援していただいているファンの方に応えるためにも終盤戦は取りこぼさない」と終盤戦への意気込みを語っていただいた辰己監督。

現在のポイントでいけば、タイともてぎの両方で優勝すればまだチャンピオンの見込みが残っているSUBARU BRZ GT300。次戦のタイはタイヤ無交換作戦も視野に入るサーキットであるため、タイヤにやさしいBRZにはワンチャンスあるといってもいいのではないでしょうか。

次戦は10月7~8日にタイのブリーラム、チャン・インターナショナル・サーキットで開催される、第7戦「2017 AUTOBACS SUPER GT Round7 Chang SUPER GT RACE」。現地で観戦するのは難しいという方のために各チームやメーカーがパブリックビューイングを予定しています。SUBARUのパブリックビューイングはスバル恵比寿ショールームで10月8日の16時30分から開催。詳しくは公式サイトの情報をご覧下さい。

(写真・文:松永和浩)

【関連リンク】

SUBARU STAR SQUARE SUPER GT 第7戦パブリックビューイングを開催!
https://www.subaru.jp/showroom/event/2017super-gt-7/

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
続きを見る
閉じる