【ワークスチューニング試乗会】STIの純度を高めたレヴォーグは「STIコンプリートカー」と見紛う完成度

ワークスチューニングとは、STI(スバル)、TRD(トヨタ)、NISMO(日産)、無限(ホンダ)といったメーカー直系のレーシング部門が、そのノウハウを市販車向けのアイテムにフィードバックして生み出されたチューニングのことをイメージさせます。

そのワークスチューニンググループ4社が、群サイの愛称で知られる群馬サイクルスポーツセンターを会場に合同試乗会を開催しました。荒れた路面とアップダウンの激しいコーナーの続くタイトなワインディングを模したクローズドコースは、「日本のニュルブルクリンク」と呼ばれるほどシビアなコースですが、だからこそワークスチューニングの高い実力が理解できるということでしょう。

STIが持ち込んだ一台は、レヴォーグSTIスポーツ(1.6リッターターボ車)をベースにSTIの市販パーツを組み込んだ仕様。そもそも「STIスポーツ」はSTIのセッティングを盛り込んだ量産車ですから、STI純度を高めたチューニングといえます。

レヴォーグSTIスポーツには純正状態でSTIが味付けたビルシュタインのサスペンションを与えられています。そのためダンパーはそのままにスプリングで姿勢を変えているだけにとどめています。

装着アイテムを代表するのが「STIパフォーマンスパッケージ」と呼ばれるパッケージです。その内容は、フロント・サイド・リヤのアンダースポイラー、スカートリップといったアピアランスチューンと、フレキシブルタワーバー、フレキシブルドロースティフナーといったボディ剛性をコントロールするアイテムをセットにしたもの。

これにより、STIの目指す「運転がうまくなるクルマ」として必要最低限のチューニングが済むというだけでなく、セット販売とすることで単品で集めるよりもお買い得になっているのがポイント。なお、参考工賃を含めた税込み価格は22万9932円となっています。

そのほか、ルーフエンドスポイラー、フロントバンパーカナード、エキゾーストキット、ラテラルリンクセット、ドアハンドルプロテクター、ドリルドディスクローター、ブレーキパッド、19インチアルミホール、ステアリング、シフトノブなどを装着。全体として、ボディをしなやかに剛性アップし、空力アイテムをプラスした仕様といえます。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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