ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー(グッドイヤー)は、アメリカの大豆振興団体(USB : United Soybean Board)から支援を得て実現した、新しいタイヤ原料の使用を発表しました。「新しいタイヤ原料」とは大豆油のことで、グッドイヤーは、大豆油を原料とする新たなゴム化合物を初めて商業的に使用することに成功しました。
同社によると、大豆油から製造されたゴム化合物によって、ドライ路面、ウェット路面そして冬季天候におけるタイヤ性能を強化することができるとのこと。
グッドイヤーのグローバルマテリアルサイエンス部門ディレクターであるEric Mizner氏は「グッドイヤーにとって、技術革新とは消費者の需要に応える高品質のタイヤを開発し、新技術によるソリューションを提供し続ける原動力です」と、今回の新技術の効果を説明しています。
大豆油が原料のゴム化合物をタイヤに使用することにより、気温が変動してもゴム・コンパウンドの柔軟性を維持することができるのが、この新技術の一番の効果です。その結果、タイヤ路面グリップ性能の維持と強化を実現する新たな方法を開発できた、ということです。
また、大豆油を使用したゴム・コンパウンドの場合、タイヤの製造で使用されるシリカ化合物との混合がより容易になり、これにより生産効率が向上、エネルギー消費を低減することも期待できます。
グッドイヤーは、本プロジェクトにおいてUSBと協力するとともに、USBから開発資金援助を得ています。タイヤ各社は、新しいタイヤ原料の開発に注力していますが、今回の大豆油を使用したゴム化合物の登場で新しいタイヤ原料が、一つ増えたことになります。
(山内 博・画像:グッドイヤー)