29周目、11位を走行していたエステバン・オコン(フォースインディア)はチームメイトのセルジオ・ペレスに仕掛けますが、オー・ルージュ手前で接触。
実はこの2人、スタート直後にも同じ場所で同様のことが起こっていたのです。幸いにもその時は2台ともダメージはありませんでしたが、今回はそうはいきませんでした。オコンはフロントウイングにダメージを負い、ペレスは右リヤタイヤがバースト。コース上にはマシンのパーツが飛び散り、セーフティカーが導入されました。
開幕前は仲が良さそうでしたが、ここ数戦激しいチーム争いを続ける2人の今後の関係が心配されます。
セーフティカー導入と同時に全車がピットイン。ここで興味深かったのが上位陣のタイヤチョイス。メルセデス勢がソフト、フェラーリ勢がウルトラソフト、リカルドがスーパーソフトを選択し、チームごとにはっきりと分かれました。
34周目にレースが再開し、各マシンが再びオー・ルージュを駆け抜けていきます。そして1コーナーでハミルトンとベッテルがサイド・バイ・サイド! さらにその後方ではボッタス、リカルド、ライコネンがスリーワイド!! 上位2台の順位は変わりませんでしたが、リカルドとライコネンがボッタスをパスし順位をあげました。
この戦いは最高にしびれました! やっぱりレースって面白い!!
後半戦最初のレースを制したのはハミルトン。見事なポールトゥウィンでした。そして2位ベッテル、3位リカルド、4位ライコネン、5位ボッタスとなりました。
表彰式後のインタビューで
「初めてF1を見に来たのが96年のベルギーGPでした。一緒に見に来た父と『夢はここ(ポディウム)に来ることだよね』と誓いました」
と語ったハミルトンは「今回も子供や大人がたくさん見に来ていますね。夢は必ず叶います。だから諦めずに頑張りましょう!」とファンにメッセージを送りました。
そんなハミルトンですが、どこか厳しい表情でレースの興奮がまだ収まっていないように思えました。ポールポジションを獲得し順調に走り続けるも、途中のセーフティカー導入で今まで築いてきたギャップが一気に縮まり、しかも後ろのベッテルとは異なるタイヤ戦略でレース再開後からゴールまでの10周は今までになく集中していたのでしょう。
レースはドライバーの体力だけでなく、精神力もすり減らしてしまう過酷なものだと改めて実感しました。タイトなスケジュールだとは思いますが少しでもゆっくり休んでもらい、次戦のイタリアGP(9月3日)ではいつものルイススマイルが見られますように!
順位/No./ドライバー/チーム
1/#44/ルイス・ハミルトン/メルセデス
2/#5/セバスチャン・ベッテル/フェラーリ
3/#3/ダニエル・リカルド/レッドブル
4/#7/キミ・ライコネン/フェラーリ
5/#77/バルテリ・ボッタス/メルセデス
6/#27/ニコ・ヒュルケンベルグ/ルノー
7/#8/ロマン・グロージャン/ハース
8/#19/フェリペ・マッサ/ウィリアムズ
9/#31/エステバン・オコン/フォースインディア
10/#55/カルロス・サインツJr/トロロッソ
(yuri)