トヨタ自動車(以下トヨタ)が世界に先駆けて実用化を果たしたHV(ハイブリッド車)「プリウス」が、生誕20周年を迎えます。
同車は走行時のシチュエーションに合わせ、2種類の動力源(エンジン/電気モーター)を使い分ける「THS」(トヨタハイブリッドシステム)を採用しており、発進時や軽負荷時はモーターのみで、また通常走行時はエンジンとモーターの動力配分を最適になるように制御しながら走行します。
HVの場合、EV(電気自動車)とは異なり、制御システムによりバッテリーが一定の充電状態に維持されているため、外部からの充電を必要とせず、ガソリン給油のみで走行が可能。
また、減速時のエネルギーをも余さず活用、モーターで発電してバッテリーを充電する「回生ブレーキ」システムも組み込まれています。こうした工夫により、初代モデルでは従来のガソリンエンジン搭載車の約2倍となる燃費性能(10・15モード走行燃費:28km/L)を実現しました。
CO2の排出量を約1/2に削減すると同時にCO、HC、NOXを規制値の約1/10にして、排出ガスを一層クリーンにしています。これらの高度な技術に世界の大手自動車メーカーが注目し、その後HVシステムを採用したクルマが海外でも開発されるようになりました。
では、初代プリウス用のハイブリッドシステム「THS」が実現するまでの間、トヨタ内ではどのような動きがあったのでしょうか。