アルミ製スペースフレーム構造は、軽量化を達成しなが最高のパフォーマンスを発揮するため、高いボディ剛性を実現。先代よりも30%も剛性は高く、しかもより優れた乗り心地を得ているそうです。
足まわりは、エアサスペンションと最新鋭のシャシー・コントロール・システ ムを備えたクラス最高の快適なシャーシを獲得。
さらに、新しいダブルウィッシュボーン・フロント・アクスルと 5リンクのリヤアクスルは横方向のロールとグリップ力をコントロールし、俊敏性と安定性を両立。四輪操舵システムの追加、車載カメラからの情報を利用して毎秒数百万回もの計算を行ってダンパー設定を常時変化させるなど、走行条件を問わず快適な走りを実現しているとのこと。
エンジンは、従来のV12 NAエンジンは採用せずに、新しい排気量6.75LのV12 ツインターボを搭載。
2 つのターボを装備し、1700rpmという低回転から900Nmもの最大トルクと、563psのハイパワー出力を発生し、静かな低速走行と急を要する場合の俊敏な加速力のいずれも実現。トランスミッション、ZF製8速ATと連動するサテライト・エイデッド・トランスミッション(SAT) が搭載されています。
外観では、強烈な印象を放つグリルは現行のファントムⅦより高く持ち上がり、ロールスのマスコットである「スピリット・オブ・エクスタシー」は約 1 cm高い位置に鎮座。
また、新しいヘッドライト・グラフィックが目力の強さを表現し、新たに内側を曇りガラスにしたヘッドライトレンズが開放的な印象をもたらしています。デイタイムドライビングライトのリングと、夜間に600m以上先の路面を照らすことができるレーザー・ヘッドライト・システムが組み込まれています。
特徴のコーチドアを開けて乗り込むと、手作業によるシートは新たに造形されています。シート上部に強い水平のエレメントを採り入れて、幅の広さ、快適さ、存在感を演出。
フロントシートの背面にあるカナデル・パネリングの湾曲は、1956年のイーム ズ・ラウンジ・チェアの影響を受けているそうです。前席の背面のカナデル・パネリングには、ボタンひとつで展開・収納できる電動式リヤピクニックテーブル、リヤシアターモニターが組み込まれています。
ほかにも見どころは満載ですが、BMWの最新技術とロールス伝統のノウハウを昇華させた新型ファントムを見かけたらため息が漏れそうです。
(塚田勝弘)