新型ランドローバー・ディスカバリーは、オプションで「5+2シート」の3列シート仕様が設定されています。
なお、導入記念限定車の「First Edition」は標準装備。試乗前のプレゼンテーションでは、この3列シートに関して「190cmの乗員が7人座れる」という説明がありました。
そこでボディサイズを見てみると、全長4970×全幅2000×全高1890mm、ホイールベースは2925mm。かなりの大柄ではあるものの、悪路走破性を確保するためフロアが高くなり、大型の前後フェンダーを備えるSUVで「190cmの乗員が7人座れる」というのはかなり厳しいというのが想像できます。
なお、フォードの日本撤退により新車で買えなくなったリンカーン・ナビゲーターは全長5290×全幅2010×全高1980mm、ホイールベース3020mm。
ライバルだったキャデラック・エスカレードは全長5195×全幅2065×全高1910mm、ホイールベースは2950mm。この2台のフルサイズSUVは、確かに190cmの乗員が3列すべてに座れそう。
前置きが長くなりました。新型ディスカバリーの3列目は確かに、シートに収まってしまえば大人でも座れる広さで、アウディQ7の3列目よりも座り心地、乗降性ともに上のように感じました。
しかし、想像できるように、フロアが高く、床面から座面までの高さが低いだけに膝を抱えるような姿勢になります。背もたれの天地高などシートサイズはそれなりに確保されていますから、ジュニアシートを卒業した子どもなら、高めのフロアによる乗降もそれほど気にならないはずで常用できそう。190cmの人が座るには非常用の域を出ないのはご想像のとおりです。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)