2日間、富士スピードウェイにいる私。しかも今回はお仕事ではありません。
世界最速女性レーシングドライバーであり、FIA Women in Motorsportアジア代表委員、FIA Women in Motorsportアンバサダーを務める井原慶子氏が女性のモータースポーツ活動を応援し、活性化させる「Women in Motorsports Project」の活動の応援です。
井原慶子さん(以下、慶ちゃん)とは日産ドライビングパークのインストラクター時代に知り合い、彼女はレースの道へ。私はカーライフ・エッセイストへとその後、進みました。
あれから17年。進む道は違えど、共通点は「クルマ」。
私が慶ちゃんに協力をお願いすることもあるし、彼女の活動で私ができることであれば協力するというスタンス。
彼女が英国でF3に挑戦するときも初戦の取材に行ったり、これまでの活動も陰ながら応援してきました。
やっぱりなんだかんだ言っても自動車業界は男性社会。もちろん女性で得している部分もたくさんありますが、そうではないことも…。
そんなことを身をもって体験している彼女だからこそ、女性レーシングドライバーを育成するということも、その後に彼女たちが活躍できるシーンを作り、さらに高いステージに挑戦することへと導くことは納得がいきます。そしてそれを単に頭の中の構想だけで終わらせず、実行させる彼女の行動力は羨ましくもあります。だからこそ、彼女の活動を応援していきたいと思っています。
実はありがたいことに、今回の「レディース No.1 レース」(L1)も、先ごろ行われた「競争女子選手権」にも「走らないか?」とお誘いを受けましたが、どちらも遠慮させていただきました(笑)。ちょっと体調がよくないのと、今はメンタルがレース向きではないので。というわけで、今回はお手伝いだけすることに。
そしてレースのお話。
お手伝いの方は別として、レーシングドライバーはすべて女性の「レディース No.1レース」。そのため、レース以外の様子を見ていると年齢や職業などが違うのに、和気あいあいとしていて、まるでサークル活動のよう。
それがそれぞれのクルマに乗り込むといきなり戦闘モードにスイッチオン!
参加車のクラスは、先代の「マツダ ロードスター」、現行「ロードスター」「マツダ デミオ」「トヨタ ヴィッツ」。総勢24台の大バトル大会。
公式予選では朝の雨が残り、ウェット路面でのタイムアタックとなりましたが、20分間の予選時間は後半になればなるほど路面が乾いてグリップが良くなるのと、クルマに慣れてきたのか、後半は軒並タイムアップする人続出。ポールポジションを獲得したのはベストタイムが2分17秒465、#87 マツダ ロードスター「お先にどうぞロードスター」の弁護士、山本絵里子選手。予選アタック前、昨日の練習走行後に新品タイヤに履き替え、グリップ力が上げたのもコースコンディションを考えたら勝因の一つかも。「お先にどうぞ」ではなく、「お先に行かせていただきます」ですね。2位は#7マツダ ロードスター「ARVOUロードスター」の救急看護師、関崎祐美子選手。3位#8マツダ ロードスター「TiRacihg☆ロードスター」は現役体育大生の猪爪杏奈選手。
そして9周で争われる決勝。スタート直後はポールポジションスタートの#87と#7の大バトル。まもなく#7がトップを奪いましたが、大きく動いたのは6周目。またまた順位が入れ替わりそう、と思った瞬間、トップ2台が接触して痛恨のスピン。その間に5位でスタートし3位を走行していた#45マツダロードスター「ホイールDr.ロードスター」の加藤沙也香選手がトップに。そのままゴール。2位は3位スタートの#8ロードスターの猪爪杏奈選手。3位は6位スタートの#117「こまっちゃんロードスター」の小松寛子選手。
トヨタヴィッツ勢も総合5位に#18「AD Sarto Vitz」のみなぴよ選手がクラストップを譲らずそのままゴール。9位スタートの#889「auto N中京 ADS Vitz」のいとうりな選手が7位ゴールでクラス2位。
想像以上のナイスファイトで最後までハラハラドキドキ。目が離せません。
しかし、かと思えば20位フィニッシュの#38デミオ「LDIKA」のホン・ミンウェイ選手。台湾出身、グラビアアイドルで科学者の彼女は、「気が付いたらみんなスタートしていたから、みんなどうぞ~という気持ちで走っていました」という超マイペース女子。ボディカラーが黄緑で走っていても目に付きますが、なんとなくほんわかしていて見てるだけでこちらも癒される…というように、参加選手の楽しみ方もいろいろ。そういうところも女性なら出ではの楽しみ方なのかも!?
それにしても「競争女子」といい「L1」といい、女子だらけのレースは華やかで観戦するのも楽しいですよ☆
(吉田 由美)