試乗場所など条件が異なるため、断定できませんが、A5も基本的に芯のある硬めの乗り心地ではあるものの、現行A4/A4アバントのローンチ時よりもしなやかさを増している印象。
試乗した「A5 スポーツバック 2.0 TFSI クワトロスポーツ」には、走行モードに応じて可変するダンパー「ダンピングコントロール付サスペンション(オプション・14万円)」が装着されるため、上屋の動きが抑制されて、ダンピングコントロールが利いているのもあるかもしれません。なお、タイヤはコンチネンタル製の「コンチ・スポーツ・コンタクト」でサイズは255/35R19。
大開口となるテールゲートを備えるにも関わらず、ボディの剛性感も高く、高速域でのレーンチェンジや山道でコーナーをクリアする際などもボディの一体感の高さを抱かせます。
高速域も含めて静粛性も非常に高く、ボディ剛性感の高さと相まって快適なロングドライブを楽しめそう。
また、252ps/5000-6000rpm、370Nm/1600-4500rpmというスペックを誇る2.0L 直列4気筒DOHCインタークーラーターボは中・低速域から分厚いトルク感があり、さらにターボの過給ラグもほとんど感じさせることなく、トップエンドまで一気に加速。
NAエンジンのような滑らかさではありませんが、十分に気持ちのいい加速と表現できます。
Sトロニックの瞬速といえるスムーズな変速はもちろん、極低速域のギクシャク感はほとんど感じさせません。CVTやトルコン付ATから乗り替えでも早く慣れるのではないでしょうか。
試乗車は686万円、オプション込みで807万5000円という価格。購入を検討している方にとっては、こうした上質感は当然備えていて欲しいものですが、期待を裏切らないレベルに到達しているのは間違いありません。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)