やっぱりゴルフはすごい!クルマ好きを納得させる走りのまとまり感【ニュー・VWゴルフ公道試乗】

強い加速をしても同様ですが、強い加速のときは若干のシフトチェンジ感を感じます。実はこの「シフトチェンジ感」が気持ちいいのです。

電気自動車のようにまったくショックなく加速していくのもいいものですが、動力源がエンジンならばやはり適度なシフトチェンジ感があったほうが好感度があります。ブレーキのときは同様にクルマ側が自動的にシフトダウンしますが、この際もエンジン回転を合わせてくれるのでショックはありません。

ゴルフは225/45R17というハイトが低いタイヤを採用していますが、乗り心地はびっくりするくらいにいいものです。もちろんタイヤが担当しなくてはならない細かな路面の荒れなどは吸収しきれない部分もありますが、サスペンションがしっかりと動いて乗り心地を確保しています。路面の継ぎ方が雑で段差が付いたような場所でも、上手にいなしてくれます。

コーナリングの安定感は非常に高いものです。ガシッと4輪のタイヤが路面をつかむようなスポーツカーの安定感ではありませんが、4輪のグリップ感がしっかりとしたフィーリングが気持ちいいです。

コーナー手前でちょっとブレーキを使いフロント荷重にして進入すれば、鋭いターンインが可能です。しかし、だらっとした運転のままコーナーに入っていっても4輪のグリップバランスがよく安定感を失わないところがさすがです。

基本的な動きはハッチバックでもバリアントでも同じですが、バリアントのほうがほんの少し、さまざまな動きに遅れがあります。しかし、それは比較したからわかることで普通にバリアントだけ乗れば何も感じないでしょう。

今回は箱根での試乗となったため、ACC(アダプティブクルーズコントロール)などは試すことができませんでしたが、どこかの機会でACCなどをしっかり体感してみたいと思っています。それにしてもゴルフの基本性能は高く、走りでは裏切らない部分が素晴らしいです。

(諸星陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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