ロールス・ロイスが約1年前に発表したヴィジョンモデル「103EX」。コーチビルディングという伝統を生かしたコンセプトカーは、ロールス・ロイスのパーソナルモビリティという位置づけでした。
しかし、1920年代の「swept-tail(スウェプト・テイル)」と呼ばれるロールス・ロイスのモデルを所有しているあるオーナーは、ロールス・ロイスにオーダーしたワンオフモデルについて再考するように要請したそうです。
そして、2017年5月27日に公開された「Sweptail(スウェプテイル)」は、世界屈指のツアラーであるとロールス・ロイスが胸を張る自信作。
特定のニーズに合わせてデザインされた特別仕立てのロールス・ロイスである「スウェプテイル」は、お馴染みのパンテオン・グリルの新しい造形を中心に、堂々たる表情が特徴。
現代のロールス・ ロイスの中でも最も大きなグリルは、アルミニウム・ブロックから削り出された後、手作業により鏡面加工が施されています。「スウェプテイル」のフロントフェイスは、その周囲をブラッシュド・アルミニウムで加飾されています。
広大なウインドウとルーフの下に広がるインテリアは、「ポリッシュド・マカサー・エボニー」とオープンポア仕上げが特徴で、シート、アームレスト、ダッシュボードの上部を飾るレザーの「ライト・モカシン」と「ダーク・スパイス」のコントラストが際立っています。
装備では、観音開き(後ろヒンジ)のコーチドアを手前側に開けると、ボディ左右開口部の側面に、ボタンを押すだけで展開される手作りのアタッシュケースが入った特徴的なパニエがふたつ隠されているそうです。
このアタッシュケースは、専用開発されたラゲッジセットと対になっています。 さらに、センターコンソールに、クライアントのお気に入りだというビンテージ・シャンパンのボトルと、ふたつのクリスタル製シャンパン・フルーの収納が可能な手作業による特注の装備が用意されていて、同車のハイライトのひとつになっています。
(塚田勝弘)