VivaCがピットインしたことにより暫定トップに立ったBRZは32周目にピットイン。この間に充分なアドバンテージを取っていたために、山内選手から井口卓人選手に替わってのピットアウトでは、VivaCの直前で戦列に復帰!しかし充分にタイヤが温まっていなかったために松井孝允選手のVivaCに前を譲ることとなってしまいます。
この2台の争いに割って入る作戦に出たのがARTA BMW M6 GT3。35周目でのピットインではなんと左側だけのタイヤ2本交換でピット作業時間を短縮!これによりピットアウトした段階でVivaCの前に出ることに成功し、実質トップとなります。
前回富士戦での覇者JMS P.MU LMcorsa RC F GT3はさらに引っ張り42周目にピットイン。しかし順位で前に行くことはできません。そしてレース終盤、タイヤ2本交換が裏目に出てしまったARTA BMW M6 GT3は、ペースの速いVivaCとBRZに抜かれてしまいます。
VivaCの松井選手は後半に一気にBRZを引き離そうとペースを大幅に上げていき、ラスト10周では4秒の大差をつけていきます。しかしその後にペースが徐々に落ちていきます。どうらや燃料ポンプにトラブルが発生し、ペースが落ちてきてしまったのです。
変わらず安定したペースで走っていたBRZはこの機を逃さず徐々に差を詰めていき、ラスト5周目では約2秒、ラスト2周では1秒以内、そしてファイナルラップではテールtoノーズの、ぶつからんばかりの接近戦となって行きます。
最終コーナーを立ち上がる頃には完全にスリップストリームに入った井口選手のBRZでしたが、VivaCの松井選手は何とかトップを、まさに死守!
そして迎えたチェッカーフラッグ。最初に潜り抜けたのはVivaC 86 MC、その0.091秒差でSUBARU BRZ R&D SPORTが2位という結果!なんと0.1秒以下の攻防という緊迫したファイナルラップとなったのです。
3位はポジションキープを徹底したARTA BMW M6 GT3、そして4位には同じBMW勢のStudie BMW M6。
5位にはグッドスマイル 初音ミク AMGが入りました。
このオートポリスでポールtoウィンを果たしたことにより、一気にランキングトップに躍り出たVivaC 86 MC。しかし1ポイント差でJMS P.MU LMcorsa RC F GT3、さらに2ポイント差でグッドスマイル 初音ミク AMGが追う展開となり、シリーズチャンピオン争いも混戦の様相となってきました。
次戦は7月22〜23日にスポーツランドSUGOで開催される第4戦「2017 AUTOBACS SUPER GT Rd.4 SUGO GT 300km RACE」。そしてこのSUGOから鈴鹿までは過酷な真夏の3連戦。SUGOまでの2ヶ月の間に各チームとも体制を強固なものにしてくることでしょう。
(写真:吉見幸夫 文:松永和浩)