2017年F1第5戦スペインGPは波乱のスタートで幕を開け、タイヤ戦略の違うルイス・ハミルトン選手(メルセデス)とセバスチャン・ベッテル選手(フェラーリ)の戦いには、ドキドキしっぱなしでしたよね。
一方、予選後のトップ3インタビュー方式やフェラーリファン少年のサプライズなど、新しいF1スタイルが垣間見え、心がほっこりしたグランプリでもありました。
5月18日(木)発売の「F1速報スペインGP」の内容はドキドキ?それともほっこり?早速、見ていきましょう!
■森脇基恭の〇と×
私が毎号楽しみしているのが「森脇基恭の〇と×」。F1解説でお馴染みの森脇基恭さんが、レースについて〇と×で評価するコーナーなのですが、自分でも「〇と×」をつけ、森脇さんと一緒の所はあるかチェックしながら読むととっても面白いんです!
今回のスペインGPについて「正直言って、×の要素を探すのが難しいレースだったな、というのが第一印象です」と語る森脇さん。
優勝をかけたハミルトン選手とベッテル選手のバトル、4位と5位に入ったフォースインディア、たった一人だけ1ストップ作戦で走り、難しいサーキットでタイヤをもたせたパスカル・ウェーレイン選手(ザウバー)……などなど、〇候補がずらりと出てきました。
その中でも最大の〇がついたのは、勝者ハミルトン選手でした。
「前戦のロシアがいいところなしの完敗という流れがあったのですが、メルセデスはノーズの格好まで変更した大幅なアップデートをしてきました。もう、なりふり構っていないくらいのことをチームがしてくれたわけです。そこでハミルトンはしっかりそれに応えた。1戦だけでよくカムバックしたと思いますし、スランプを引きずらなったにはさすがですね。今回の素晴らしいレースは、チーム力や開発力以上にハミルトンの『ドライバー力』が際立っていたと思います」
また、予選後にグランドスタンド前でインタビューをやるなど、バーニー・エクレストン時代とは違う趣向を展開していこうという意思を見せたFOG(フォーミュラ・ワン・グループ)についても言及しています。
「バーニーとは私も良く話をした仲ですから、彼がF1を完全にプロフェッショナルなものにして、皆が憧れる雲の上のような世界、オリンピックのような価値の高さを目指してきたことについては理解しています。ただバーニーのやり方では『やってみなければ分からないんだから、新しいことをやって試してみようよ』というトライができなくなっていたことが×だったんですね」
「リバティ・メディアによる新しいFOGになって変わる可能性が見えてきた、それはいいことだと思いますね」
そして最後に、もう一人〇をつけた人物がいました。
「ドライバー視点を活かした、ペドロ・デ・ラ・ロサの表彰式インタビューは素晴らしいものだったと思います。これは〇です」
個人的には号泣するフェラーリ少年を最高の笑顔にしたフェラーリスタッフ、少年を映したカメラマン、探し出したFOG、そしてリタイアしたにも関わらず笑顔で少年に接したキミ・ライコネン選手に「花丸」をつけたいです!