復活を遂げたフェラーリ特集!SF70Hを産み出した「B・B体制」とは?【F1速報×F1女子~スペインGP号~】

9年ぶりのタイトル奪還を目指すフェラーリ

開幕戦からメルセデスと素晴らしいレースを繰り広げ、完全復活を遂げたフェラーリの特集も見逃せません!

ここ数年停滞していたフェラーリが、最強王者のメルセデスとチャンピオンシップ争いができるようになったのはなぜか? ライターのマシアス・ブルナー氏がどどーんと10ページにわたり解説しています。その一部を少しだけ紹介しますね。

メルセデスと対等に戦えるマシンを作り出した大きな要因は、ある2つの出来事がキーポイントとなったと語るブルナー氏。

まず1つ目が2000年から2004年まで5年連続ダブルタイトル獲得という黄金時代を築いた南アフリカ出身の伝説的デザイナー、御年73歳のロリー・バーンの参加。バーンの助言はテクニカルチームにとって大きな財産&武器になっているのだそうです。

そしてもう1つが、パワーユニット部門を率いていたマッティア・ビノットがチーフテクニカルオフィサーに就任したこと。ビノットは、いつももの静かでチーム全員に慕われており、ドライバーがマシンに何を求めているかを理解し、より広い視野で全体を見渡す能力があるのだとか。

このB・B体制(マッティア・ビノット、ロリー・バーン体制)が産み出したSF70Hは、どんなタイプのサーキットにもすぐ適応でき、ドライバー達、特にライコネン選手にとって理解しやすいフィードバックの得られるマシンになったのだそうです。

このマシンのもうひとつの長所として注目されているのが「先行するライバルの背後に接近して走れる」こと。これについて、ブルナー氏は以下のように解説しています。

歴代のレッドブルマシンはベッテルとマーク・ウェバーのコンビだった時代から、単独でクリーンな気流のなかを走る時に本来の空力的パフォーマンスを発揮し、逆にトラフィックのなかでは苦戦することが多かった。そして、過去3年間のハミルトンとニコ・ロズベルグが乗ったメルセデスにも、これと同様の傾向が見られた。これに対して今季のフェラーリは、他のマシンの後方乱流に入ってもダウンフォースが激減しないようにデザインされているらしいのだ。おそらく、これはマシンの空力設計の思想の違いによるものだ。

そして今シーズンのフェラーリは、戦略面でも確実に進歩を遂げていると言います。

バーレーンGPでは先手を打ってベッテルをピットに呼び入れ、メルセデス陣営にプレッシャーをかけることができた。昨年までとは大違いだ。これまでのフェラーリは、ただライバルが先に動くのを待ち、それに反応するばかりで、しかもその反応の仕方が間違っていることが多かったのだ。しかし、今年はリアクションするのではなく、自らアクションを起こしている。これこそチャンピオンの戦い方だ。

フェラーリ特集には、ベッテル選手の独占インタビューもありました! 今シーズン2勝をあげ、ドライバーズランキング1位のベッテル選手はチャンピオンになるために、王者メルセデスをどうやって打ち負かすつもりなのでしょうか。

「簡単さ。しっかり集中してたゆまぬ努力を続け、すべての開発を的確に行うこと。さらに、レース戦略においても正しい方向を見据え、信頼性も上げて、あとは幸運の女神からちょっとした『後押し』も必要だね。僕自身は、これまでどおり自分のモットーを貫くつもりだ。ひとつひとつ目の前のレースだけに集中して、ポイント獲得やチャンピオンシップをリードすることを考えたりはしない。夏の終わり頃に、ようやくランキングを意識し始めるつもりだ。そこからタイトル争いについても考えるだろうね」

次戦はいよいよモナコGP(5月28日)です。大好きなジェンソン・バトン選手の走りをまた見られると思うと、私が走るわけでもないのになぜか緊張してきちゃいました。フェルナンド・アロンソ選手(マクラーレン)のインディ500も楽しみですよね。

次号、モナコGP号の表紙はバトン選手になりますよーに!

(yuri)

この記事の著者

yuri 近影

yuri

2006年のF1日本GPを観に行ってから、どっぷりF1&ジェンソン・バトンにはまってしまったF1女子。F1が大好きですが、車の運転は下手(小林編集長お墨付き)、メカニズムも苦手、だけどドライバーの知識と愛だけは自信あり! もっと気軽にF1を楽しんでもらいたい、好きになってもらいたいという気持ちで執筆活動をしています。
趣味はバトンの追っかけと、F1海外観戦。現在は新米ママとして子育てに奮闘しながら、のんびり記事を更新中。あたたかーい目で見守っていただけると嬉しいです。
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