【SUPER GT2017】ビックリ仰天!大ドンデン返し!な結末だった第2戦富士のGT300クラス

ゴールデンウィーク真っ只中な5月3、4日に富士スピードウェイで開催されたSUPER GT第2戦「2017 AUTOBACS SUPER GT Round 2 FUJI GT 500km RACE」。

来場者数延べ9万人以上と、大人気のSUPER GTの中でも最高の集客を誇るのが第2戦の富士500kmレースです。

予選をトップで通過したのは開幕戦の覇者であるグッドスマイル 初音ミク AMG。

2011年と2014年にシリーズチャンピオンとなっているグッドスマイルレーシングですが、ポールポジションは2011年から実に6年ぶり。そして片岡龍也選手はSUPER GTでのポールポジションはGT300、GT500を含めて、この時が初めてという記念すべきポールポジションとなりました。

5月4日の午後2時10分、静岡県警のパレードラップの後にフォーメーションラップからのローリングスタートで幕を開けた500kmレース。スタートから快調に飛び出したグッドスマイル 初音ミク AMGはTGRコーナーをホールショット、その後コカコーラ、トヨペット、アドバン、ダンロップ、レクサスと各コーナーを順調に走りぬけ、トップのままコントロールラインをクリア。その後ろにはスタート周で2番手GULF NAC PORSCHE 911をパスし2番手に浮上した GAINER TANAX AMG GT3が続きます。1周目を終えた時点ではミク、GAINER、GULF NACに続いてJMS P.MU LMcorsa RC F GT3が4番手、ショップチャンネル ランボルギーニ GT3が5番手と、ここまでGT3勢が上位を独占。

今回の富士では500kmというレース距離で、ドライバー交代を2回以上することが義務付けられており、そのタイミングも注目されていました。そのピットインを29周目に最初に実行したのがグッドスマイル 初音ミク AMG。さすがに開幕戦優勝で授かった40kgのウェイトはつらいのか、ノーウェイトのGAINER TANAX AMG GT3に後方からプッシュされまくりの状態で、先にピットインをしてタイヤを交換してしまおうという作戦なのでしょう。その翌周にはGAINERもピットイン。

ここで勝負をかけたのがJMS P.MU LMcorsa RC F GT3。GAINERがピットアウトした時点で暫定トップだったJMSの中山雄一選手はそのままペースを上げていき、10周も引っ張っての41周でピットイン。全車が1回目のピットインを終えた時点で3位に浮上していました。

この時トップは初音ミク、10秒遅れてGAINERという順位。このまま開幕の岡山のように独走態勢で初音ミクが優勝してしまうのか?そんな空気が流れていた60周目で、なんと初音ミクの左フロントタイヤがバースト!ピットロードの手前だったのが不幸中の幸いで、そのままピットインして谷口信輝選手から片岡選手にドライバーチェンジとタイヤ交換。しかし順位を落としてしまったことは否めません。

トップはGAINER TANAX AMG GT3となりますが、3位のJMS P.MU LMcorsa RC F GT3をドライブするルーキー坪井翔選手が5秒差まで詰めてきていました。70周でGAINERがピットインすると坪井選手は一気にタイムを上げていき、またも10周を引っ張る作戦に出ます。そして80周にピットイン。給油を短めに済ませると即座にタイヤ交換。なんと39秒というピットタイム。そして2位のGAINERの前でレースに復帰するという荒業を見せました。

ここで、意外といっては誠に失礼ですが、今年からチーム結成して参戦のD’station Porscheが3位に浮上しています。岡山でのGULF NACといい、今年のポルシェは一味違います。

レース終盤、そのD’station Porscheが4位の初音ミクに襲い掛かるほどまで差をつけてきます。先のバーストで12位まで順位を落とした初音ミクはこの時4位、先行するUPGARAGE BANDOH 86MCがピットインすれば2戦連続表彰台とするその矢先に、猛アタックをかけたD’station Porscheに抜かれてしまいます。そしてそのD’station Porscheを追おうとしたその刹那、98周目にまたしても左フロントタイヤがバースト!3度目のピットインを余儀なくされて11位でチェッカーを受けることに。

そんなドラマは露知らず、トップで逃げ切ったJMS P.MU LMcorsa RC F GT3が初優勝。昨年までのレクサスRC F GT3とは別物とはいえ、RC F GT3が参戦以来の初勝利を飾りました。

そしてルーキー坪井翔選手にとってはSUPER GT参戦2戦目での初優勝。第2戦が始まる前に、いったい誰がこの結末を予想できたでしょうか?

2015年にFIA-F4で大活躍した坪井翔選手。SUPER GTでの今後の活躍も期待します。

この富士でもGT3勢が表彰台を独占。JAF-GT勢やマザーシャーシ勢の復権はあるのか、というところが注目となるSUPER GT第3戦「2017 AUTOBACS SUPER GT Round 3 SUPER GT in KYUSHU 300km」は5月20、21日に大分県のオートポリスで開催です。

(写真:吉見幸夫 文:松永和浩)

この記事の著者

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松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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