「台場開発センター」では、愛知県にある本社地区での開発のほか、産学官、ベンチャーが集う東京で人工知能基板技術開発を行っていくそうで、開所式では15Fの同開発センターでは、アイシン精機が開発している自動運転技術のシミュレーター「Smart Cockpit」をはじめ、クルマや交通公共機関からの「ラストワンマイルサービス」を掲げる「ILY-Ai」という開発中のパートナーモビリティも披露されました。
「Smart Cockpit」は、指先のジェスチャーや顔の動き(頷く)、自然な対話で自動運転(レベル3)を目指すインターフェイスで、たとえば赤ちゃんを連れている乗員に対してシート位置をあらかじめ変更したり、「クルマとクルマ」や「車両と壁」が近い場合にドアの開き具合を変更したりと、日本らしい「おもてなしサービス」をコンセプトとして掲げています。
「ILY-Ai」は、前に2輪、後ろに1輪の3輪モビリティ。公道(特区)での実証実験はまだ行われていないそうですが、立ち乗りだけでなく、座っても移動可能で、さらに折りたためば車載はもちろん、交通公共機関への持ち込みも想定しているそうです。また、普段は立ち入り禁止区域のオフフィスフロア(社員でても携帯電話やカメラ、USBメモリーなどは持ち込み不可)も見学することができました。
アイシン精機の「台場開発センター」の開設により、開発パートナーと新技術を生み出す環境が整ったことになります。競争が激化する「ゼロエミッション」、「自動運転」、「コネクテッド」の3分野でアイシン精機を中心とした同グループが今後どんな技術を提案してくれるか気になるところです。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久、塚田勝弘)