TOYOTA GAZOO Racing WRCチームがトヨタ・ヤリスでのWRC復帰、大健闘の影にG-SHOCKが活躍していた

TOYOTA GAZOO RacingのヤリスWRCで18年ぶりにWRC世界ラリー選手権に復帰したトヨタ。G-SHOCKは、そのTOYOTA GAZOO Racing WRCチームにサポートしています。

TOYOTA GAZOO RacingのヤリスWRCは初戦のモンテカルロから2位入賞、続くスウェーデンでは優勝を飾るなどシーズン序盤から好成績。この2戦は雪の中で行われるウィンターラリーとして特に有名で氷点下という気温だけではなくドライ、ウェット、スノー、アイスとコンディションが刻々と変化する路面がドライバーを、そしてスタッフを苦しめます。

この2戦に続いて開催されたのが3月9~12日に開催されたメキシコ戦。競技の中心となるメキシコ中央部グアナファト州のレオン市は標高が1800m、区間タイムを争うスペシャルステージでの最高標高は2700mを超え、気温も最低気温18度から最高気温は30度を超えるというのに雨がほとんど降らない季節で路面はカラカラに乾いています。

このオール未舗装でほとんどグリップなどしないというフカフカな乾いた土というグラベルコースで、標高が高いために空気が薄く標高0mに比べて約20%も出力がダウンしてしまうといわれるこのメキシコでもヤリスWRCは2台揃って入賞を果たしています。

真冬の降雪地帯から、いきなり灼熱の乾燥地帯に舞台を移すのがWRCの醍醐味でもありますが、マシンやチームにとっては本当に過酷な環境。

その上、ラリーという競技は区間タイムの速さを競うSSと呼ばれるスペシャルステージでの成績に左右されるだけではなく、そのSSとSSの間、またSSと整備などのサービスが行われるサービスパークとの間のリエゾンと呼ばれる移動区間では早くても遅くてもいけない、タイムコントロールポイントを定時に通過しなくてはなりません。

マシンの整備に関してもレースのように「何時何分までに送り出せばいい」というものではなく、作業の開始時間から終了時間までが各大会の規則で決められており、その時間以外の整備は行えません。

メカニックのリー・ハンレイさんはその整備の過酷さについて語ります。

「WRCラリーイベントでは、ラリーカーのチューニング・整備に限られた時間しかないため、時間管理が重要だ。このタフG-Shockがあれば、強い衝撃や、水、泥や雪などを気にする必要がまったくない。G-Shockは、僕が出来うる最高の仕事を成し遂げるのを助けてくれている」

モータースポーツのみならず全てのスポーツにおいて、ラリーほど時間、とくに時刻に縛られる競技はありません。だからこそ腕時計の重要性はあらゆるチームのあらゆるドライバー、スタッフが痛感しているのです。

このようなラリーの現場ではG-SHOCKが光ります。ラリーのような過酷な現場では常に振動と衝撃が腕時計を襲いますが、これに耐える耐衝撃性能。世界を転戦するWRCでは世界中の標準電波を受信し正確な時刻を示すためのマルチバンド6が重宝します。

また、TOYOTA GAZOO RacingのWRCチームにサポートされるG-SHOCKは陸の王者といわれるMUDMASTERで、メキシコのような土埃でも時計内部に侵入されることはなく、また優勝したスウェーデンやTOYOTA GAZOO Racing WRCチームの本拠地であるフィンランドのような氷点下が続く気温の中でも正確に作動します。

チームマネージャーのクリント・ファストさんはG-SHOCKについて次のように語ります。

「WRCは世界13か国で開催され、チームは世界を飛び回る。ラリーチームにとって、時間の管理はとても重要で、決められた時間に行動する必要がある。チームが転戦する時も、G-Shcokは、すぐにローカルタイムに切り替えができるし、チームの拠点であるフィンランドのユバスキュラの時間もすぐにわかる。チームにとって、G-Shockは頼もしい相棒である。」

また第2戦スウェーデンを優勝し、現在ドライバーランキング2位となったヤリ-マティ・ラトバラ選手は次のように語ります。

「第2戦目のスウェーデンラリーで優勝することができた。この時、僕はG-Shockとともにゴールしたよ。表彰台でのシャンパンファイトでも、僕のG-Shockはシャンパンファイトでびしょびしょになったけど、それもまったく心配はいらなかったね」

TOYOTA GAZOO RacingのWRCチームは、ラリーをG-SHOCKとともに戦っていることを誇りに感じているようです。

(文:松永和浩)

この記事の著者

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松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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