【ミニ実録】
1月1日、午前0時「新年明けましておめでとう」の挨拶と共に、環状線へとクルマを向ける。0時30分、LOOPはすでに、ヘッドライトの光列がずらりとつながっていた。ちなみに大晦日の午後11時ごろは、閑散としていたのだが。
「初詣のクルマがドッと繰り出してきたのだな。この内、環状走り初めに来たクルマは何%くらいだろう」と、周囲のクルマに目を走らせる。それはちょっと信じられない光景である。環状線1周10.4kmが、グルッと走り屋によって埋め尽くされているのだ。「関西人はみんな知っとるから、初詣なんか行くんは、下走るのとちゃう?」というわけだ。
<なんちゅうたって正月やで。愛車はバッチリ磨き上げ、お飾りも付けてやらんと。それでさりげなくナンバー隠すのが、コツといえばコツや!>
元旦だというのに、府警も総出で検問体制をしいている。環状と放射線の分岐で車線を絞り、環状線への流入を極力規制しているのだ。そのため、分岐手前では、慢性的な渋滞に拍車がかかる。しかも、その渋滞の中には、レーシングスリック装着車や、ナンバーをマスキングしたマシンまでが堂々と混じっているからオドロキだ。彼らは上手く検問のキーポイントを外すのだ。
「83年、ハンパじゃない年になりますように!」・・・関西走り屋一同年初の誓い。
ちなみに元旦の朝、東京・首都高は、一般車のつまらぬ事故と、川崎大師への初詣客で終夜渋滞していたという。
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さすが大阪や! でも良いコのみんなは真似しないようにしましょう!
[OPTION 1983年3月号より]
(Play Back The OPTION by 永光やすの)