ホンダ・N-BOXはなぜ軽自動車ナンバー1になれたのか?ライバル・ワゴンRとの争いの行方は?

まず、売れている理由はデザインでしょう。初代、2代目あたりのワゴンRは男性ユーザーを振り向かせてヒットモデルに成長しましたが、N-BOXも同じ流れに乗っているように感じさせます。

それでいてオトコ臭いわけではなく、シートの柄や生地など女性の声も積極的に取り上げることで男女、年齢を問わず抵抗なく乗れる内外装デザインを獲得しています。

 

もちろん、広い室内も魅力。ホンダ自慢のセンタータンクレイアウトや非常にコンパクトにまとめられたエンジンルームなどにより、限られたサイズで最大のキャビン、荷室スペースを得ているのも支持を受けている理由のはず。また、広さを裏づける分かりやすいボクシーなフォルムは、適度に角が取れていてまとまりの良さも感じさせます。

シリーズ展開も巧みで、荷室に自転車やオートバイ、車いすなどを積むという使い方を特化させたN-BOXプラス、個性という意味では軽自動車の中でも抜きんでているN-BOX スラッシュも控えています。

なお、N-BOXシリーズは、登場から5年目で100万台達成を達成し、スズキ・ワゴンRの5年7カ月を上まわるペースで売れ続けています。ワゴンRは新型で初代回帰ともいえる見た目に変更し、走りや燃費の面でも着実な進化を遂げています。

N-BOXとワゴンRの販売台数争いは、N-BOXのフルモデルチェンジ後も激化しそうですが、ヒット作の2代目をどうまとめてくるのか、それ次第で勢力争いも変わるかもしれません。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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