4月1〜2日にツインリンクもてぎで開催されたスーパー耐久2017開幕戦「スーパー耐久シリーズ2017 第1戦 もてぎ200✗2Races」。
参加クラスを大きくGr.1とGr.2の二つに分け、200分の2レース制で開催された開幕戦。4月1日に行われたGr.2レースの決勝、そのリザルトは驚くべき結果となりました。
結論から先に述べてしまえば、Gr.2レースの総合優勝は、なんとシビック!ST-Rクラスという、今年から新設されたクラスで出場したシビックTCR「Modulo CIVIC TCR」が、同じクラスのAUDI RS3 LMSや、他クラスのポルシェ911CUPやBMW Z4を抑えて総合優勝を果たしたのです!
ST-Rクラスとは、WTCC世界ツーリングカー選手権の弟分にあたるヨーロッパやアジア圏を中心に開催される地域別のツーリングカーレース統一規格であるTC-R規格のマシンで争われるクラスで、これまで日本では走るカテゴリーの無いものでした。今年からスーパー耐久に新設されたST-Rクラスでは、このTC-R規格のマシンが活躍できるクラスとなったのです。
Gr.2レースはST-Rクラスのほかに3.5リッター以上の排気量で競われるST-1クラス、2リッターターボ4WDで競われるST-2クラス、そしてガソリンエンジン基準で1.5リッターの排気量で競われるST-5クラスが参加。
実際のベストラップはST-1クラスのNissoku Porsche 991GT3 CUPが最速で1分56秒223、Modulo CIVIC TCR 98号車は2分1秒638でした。
しかしドライバーによるラップタイムの変動が少なく、しかも全くトラブルが出ないという強さを発揮してModulo CIVIC TCR 98号車が優勝、同じくCIVIC TCRの97号車が2位と、総合で 1-2フィニッシュを飾るという快挙を成し遂げました。
そのCIVIC TCRに続いてフィニッシュ、そしてST-1クラスを優勝したのはDIAMANGO BMW Z4。
クラス別で順位とポイントが決まるスーパー耐久ですから総合順位はあくまでも参考にしかなりませんが、純粋なレーシングカーとして製作されたとはいえ、FFのCIVICがポルシェ、BMWを抑えて総合優勝したという快挙は記録に残ることでしょう。
またST-RクラスではAUDI RS3 LMSも初参戦。CIVIC TCRには及ばなかったものの、かなりの存在感を発揮しています。
2リッターターボの4WDで競うST-2クラスは昨年のシリーズ覇者DAMD MOTUL ED WRX STIを破り、接戦の末RSオガワADVANランサーが優勝。
ST-5クラスはチーム体制を一新しJ’S RACINGとして参加のJ’S RACING ホンダカーズ浜松北ダークみきゃんFITが、新規製作車にもかかわらず圧勝。2位にはネッツトヨタ京華BLOOD SPORTS WM☆VitzがVitz勢久々の表彰台を獲得しました。
F1で不振が伝えられるホンダ勢ですが、スーパー耐久では見事に復権を果たし、今シーズンの注目の的となることは間違いなさそう。
次戦は4月29、30日のスポーツランドSUGOとなります。
(写真・文:松永和浩)