交通事故による死亡事故件数は、近年減少傾向であるものの、死亡事故全体に占める75歳以上の高齢運転者による死亡事故の割合は年々増加傾向にあり、悲惨な重大事故が多発したこともあって高齢運転者による交通事故は社会問題として大きく注目を浴びています。
こうした背景から、その対策の一環として、事故防止と事故時の被害軽減の効果が期待される先進安全技術を搭載した自動車をいち早く普及させることが有効であるとして、既に実用化された先進安全技術のうち、高齢運転者の安全運転に効果があって、今後、普及拡大が見込まれるものを搭載した自動車を「安全運転サポート車」として分かりやすく位置付け、普及啓発を図ることが必要であるとしていました。
今回、経産省や国交省等が検討を進める「安全運転サポート車」の普及啓発に関する関係省庁副大臣等会議は、高齢運転者の交通事故防止対策について中間まとめを発表。高齢者向け「安全運転サポート車」の略称は「サポカーS」に決定したとしました。
全ての運転者向けの「安全運転サポート車」の愛称を、「セーフティ・サポートカー」(サポカー)とし、うち、高齢運転者向けの車両の愛称を、「セーフティ・サポートカーS」(サポカーS)として、普及啓発に取り組むそうです。
サポカーSは、自動ブレーキとペダル踏み間違え装置を含むもので、それらを3段階に分けられており、「ワイド」が対歩行者の自動ブレーキ、ペダル踏み間違い時加速抑制装置、車線逸脱警報、先進ライト。「ベーシック+」が、対車両の自動ブレーキ、ペダル踏み間違い時加速抑制装置。「ベーシック」が対車両の低速自動ブレーキ、ペダル踏み間違い時加速抑制装置を装備する車両としています。
今後は、国内乗用車メーカーにおける自動ブレーキの新車搭載率を 2020 年までに 9 割
以上とすることを目指すとのこと。この目標が達成されれば、2020 年乗用車の全保有台数に占める自動ブレーキの普及率は約 3 割程度となる見込みだそうです。
こうした安全への支援装置は義務化ではなく普及促進の努力をしようというもの。今後の官民挙げての対応と、実際の普及率に注目が集まりそうです。
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