【覚えてますcar】「カサブランカ」という名前のスバル・インプレッサは、なぜ生まれた?

『カサブランカ』という言葉から何を思い出すでしょうか。あの名作映画でしょうか、その舞台となったモロッコの都市でしょうか。

しかし、生粋のスバリストなら、1998年末に登場したインプレッサ・スポーツワゴン「カサブランカ」を思い出すのではないでしょうか。

5000台限定で発売された「カサブランカ」は、前年1997年の東京モーターショーに出展されたコンセプトカーの市販バージョンといえるものです。

初代インプレッサをベースに、専用オーナメント付き大型クロームメッキフロントグリル、クロームメッキモール付カラードバンパー、丸型ハロゲンヘッドライト、丸型ターンシグナルランプ、丸型リヤコンビネーションランプ、ミニライト14インチアルミホイール……といった専用装備を加えることによりクラシカルでエレガントなルックスに変身したメーカー製ドレスアップカーといえる一台。

あらためて、そのエクステリアを眺めていると、フェンダーとライト周りのつながりなどに無理を感じる部分もありますが、1990年代に流行したクラシック風味バージョンのムーブメントからすれば、こうした仕様は正統派とも感じます。

そもそも、クラシック風味の流行を生み出したのが、スバルの軽自動車「サンバー・ディアスクラシック」であり「ヴィヴィオ・ビストロ」でしたから、登録車のインプレッサでも、同様のバリエーションを求める声がメーカーに届いていたのでしょう。

「ヴィヴィオ・ビストロ」が純正採用したミニライトのホイールをチョイスしていたのも、同じテイストのシリーズであることをアピールしていたのです。

(山本晋也)

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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