現在、11代目となったカローラですが、読者の皆さんもこれまでに一度は人生を共にした経験があるのではないでしょうか。
本稿では、そんなカローラの歴代モデルの50年の歩みを振り返ってみたいと思います。
初代(1966年 – 1970年)
高度経済成長の真っ只中、「パブリカ」と「コロナ」の中間モデルとして登場するや、累計生産台数100万台を突破。一足先に発売された日産の「サニー1000」と共に、日本に本格的モータリゼーションをもたらしました。
2代目(1970年 – 1974年)
ハイウエイ時代に向け、走行安定性、室内空間、排気量を向上。「カローラ クーペ」が新設され、初代よりも更に「余裕の有るカローラ」へと進化。トヨタ車モデル別輸出で第1位に。
3代目(1974年 – 1979年)
カローラ30(さんまる)とも呼ばれ、オイルショックによるガソリン価格の大幅引き上げや、厳しい排ガス規制をクリア。大衆車の決定版としての地位を確立。排ガス規制や衝突安全性対応に必要なスペース確保のため、車両サイズを拡大。1974年に乗用車の車名別生産台数で初の世界第1位に。
4代目(1979年 – 1983年)
オイルショックが終わり「本物志向」の時代に。ボディデザインが3代目よりもさらに直線的になり、カローラ初の4灯式ヘッドランプを採用。「80年代をリードする高級コンパクトカー」として、日本初の生産台数累計1,000万台を記録しています。
5代目(1983年 – 1987年)
広い室内と、若者向け嗜好のスタイリングを目指して開発。スポーツ性を重視してクーペはFR、居住性重視のセダンはFFという2本立てで発売されました。
6代目(1987年 – 1991年)
「クラスを超えた世界のハイクオリティセダン」をテーマに車格感をアップ。FFに1本化され、低燃費と高出力を実現。乗り心地や静粛性から「ミニクラウン」とも呼ばれました。
7代目(1991年 – 1995年)
バブル末期の高級志向が一層高まった時代に登場。ホイールベース・全長・全幅・全高ともに拡大、ボディデザインのボリューム感を増すなど、高級化路線の頂点に達したモデルで、あらゆる面で高品質に。
8代目(1995年 – 2000年)
時代は「バブル崩壊後」で国内モデルはボディサイズを据え置き、軽量化等でコストダウン、エアバッグ標準装備などで、安全や環境に注力。この代から日本国内向けと海外輸出向けで大幅に異なる外装デザインを採用。市場に合わせた作り分けが始まります。
9代目(2000年 -2006年)
「New Century Value」のコンセプトのもと、21世紀のグローバルスタンダードを目指して根本から見直して生まれ変わらせたモデル。上級車に匹敵する快適な空間と上質な居住性などを追求。生産累計3,000万台を達成。
10代目(2006年 – 2012年)
国内向けセダンに「アクシオ」のサブネームを追加。ボデーデザインのイメージは先代から引き継いでおり、2007年度のグッドデザイン賞を受賞。
11代目(2012年 – 現在)
カローラの原点に戻り、大人4人が安心・安全、快適に長距離を移動できるミニマムサイズのクルマをテーマに全てを見直し、日本の市場環境にベストフィットするコンパクト車として開発。小回りがきくコンパクトなボディに快適な室内空間と、安心して運転できる広々とした視界を確保しています。
以上のように、50年に渡る変遷を経たカローラですが、来年の秋頃にはぐっと若返りを図ったスタイリッシュな12代目の登場が予想されており、同車の進化は今後も留まることが無さそうです。
(Text:Avanti Yasunori/Photo:Kazuhisa Kobayashi)
【関連リンク】
カローラが歩んだ50年の道のり
http://newsroom.toyota.co.jp/jp/corolla50th/
笑顔の花冠プロジェクト特設サイト
http://toyota.jp/information/campaign/corolla50ththanks