誕生から50年を迎えた大衆車「カローラ」は、今日のトヨタ自動車の礎(いしずえ)を築いたクルマと言えるでしょう。
3月6日に開催された記念イベントでは、初代カローラを先頭に、生まれ故郷の高岡工場従業員や販売店関係者ら約1,700人が見守るなか、8月までの約半年がかりで全国カローラ販売店を巡る旅に出発しました。
1966年に発売されたこの初代モデルは、外観がやや丸みを帯びながらも引き締まった絶妙バランスのデザインで、「大衆車」として開発されたものの、決して安っぽく見えなかった事が、後に大ヒットした大きな要因となりました。
パッチリと見開いた丸目の2灯式ヘッドランプや、縦櫛状のラジエータグリルと、その中央に配されたカローラの象徴とも言うべき「花冠」のエンブレムが印象的でした。
また最大の特徴がテールエンドで、今では当たり前になりましたが、スパッと切り落とした意匠は60年代当時としては非常に斬新な試み。
フロントドアを開けて乗り込むと、まず目に飛び込んでくるのが、ボディカラーと同色の鉄板パネルに配された2眼タイプのメーターパネル。シンプルながらも見易く機能的に配置されていました。
フロアから生えた長い4MT仕様のマニュアルシフトレバーの根元には、コンソールボックスが無くゴムブーツがむき出しで、潔さを感じさせます。
当時はヘッドレストが存在しない時代で、シートも素っ気無い物でしたが、シート生地はビニールとファブリックを合わせた物が採用されていました。2ドアタイプなので、リヤガラスはロック機構付きの横開き式となっています。
またエンジンも動力性能で当時のライバル車に差をつけるべく、1,100ccを採用。プラス100ccの余裕が上り坂などで存分にその威力を発揮しました。