EVコミューターの条件として小回りが利くのがもちろん、短時間の利用とはいえ快適で、少し速度が上がっても安定した走りが欲しいところです。トヨタがジュネーブモーターショーで初披露した小型EVコンセプトの「TOYOTA i-TRIL」は、それに加え「走る楽しさ」も追求されています。
具体的には、左右前輪が上下して車体の傾きを最適に自動制御する「アクティブリーン」という機構を採用したことで、快適性、安定性を両立したとしています。同機構は、ドライバーが荷重移動などを意識して車両のバランスを保つ必要がなく、安定した走行を可能とする技術だそう。
シートレイアウトも特徴的。車両の中心にドライバーを配置する「1+2」のレイアウト」により、3人乗車を可能としています。ドアがフロアの一部を構成しており、ドアが開くとフロアのステップ部分が空くため、乗降性も向上。
デザインを担当したのは、フランスはニースに拠点を置くEDスクエア(Toyota Europe Design Development)。
欧州では小・中規模都市の発展が見込まれているそう。こうした小さなコミュニティでの子育て世代のライフスタイルを想定し、便利で快適な新ジャンルの都市におけるモビリティの進化を具現化したのが「TOYOTA i-TRI」としています。
(塚田勝弘)