「駆け抜ける歓び」をキャッチフレーズとして掲げるように、BMWは走りの気持ち良さが持ち味のブランドです。
ただ昨今のクルマは実用性や自動運転などへの注目が高くなっており、BMWが掲げるキャッチフレーズは若干方向性が違うような…と思っている方もいるかもしれません。
しかし、BMWはそれらのトレンドを巧みに織り込んだ上で「駆け抜ける歓び」を演出するモデルを開発し、販売しています。
■5シリーズセダン
BMWのミドルセダンとして登場し、17年に通算7代目へと進化。オーソドックスなセダンボディは、アルミニウムや超合金などを用いたことで先代から約80kgの軽量化に成功したほか、滑らかな曲面やシャープなラインで構成し上質かつダイナミックな印象を一層強めています。
さらに、BMWのアイコンであるキドニーグリルはヘッドライトと繋げることで、よりワイド感も演出してプレミアムブランドのミドルセダンに求められる威風堂々とした佇まいとなっています。
また、自動運転も視野に入れた技術も搭載。フロントウィンドウに備えたステレオカメラやボディ周りに設けたセンサーによって、車線や周囲のクルマを検知し、衝突の危機が迫った時にはステアリング操作を自動で行ないます。
■2シリーズ グランツアラー
これまでBMWは後輪駆動方式にこだわってきましたが、「2シリーズアクティブツアラー」で初めて前輪駆動方式を採用。メカニズムの多くをボディ前方に集約することで居住空間や荷室は広がり、上級モデルを凌ぐような実用性の高さをコンパクトなボディで実現することに成功しました。
さらに3列シートを備えたミニバン「2シリーズ グランツアラー」も追加。2017年1月には4WDとディーゼルエンジンを組み合わせた新グレード「218d xDrive」の販売もスタートしました。1750rpm〜2750rpmという幅広い回転域で最大トルク(33.7kgm)を発揮し、JC08モード燃費は20.0km/Lを達成します。
■318i
BMWの定番といえば、やはり「3シリーズ」。50対50を追求した前後重量配分や後輪駆動方式など、BMWのこだわりが詰まったモデルであります。売れ筋は大トルクと低燃費を両立したディーゼルエンジン搭載車ですが、注目すべきは16年10月から加わった直列3気筒ターボと8速ATを組み合わせたグレード「318i」です。
136ps/22.4kgmと目立った数値ではありませんが、高圧の燃料を燃焼室内に直接噴射する高精度ダイレクト・インジェクション・システムの採用でレスポンスに優れ、またエンジン自体が軽量かつコンパクトなため、BMWの謳う“駆け抜ける歓び”は損なわれておらず、さらに価格もリーズナブルなことと合わせて、業界内で好評を集めています。なお、ラインナップはセダンだけでなく、ワゴンも用意されています。
(今 総一郎)