日本RV協会もこのボディタイプ別でゆるく「タイプ・クラス分け」していますが、8ナンバーかそうでないかは問われていません。たとえば、軽キャンパーの定義でも8ナンバーの取得は問わず、「軽」登録であれば「軽キャンパー」と呼称できます。
「キャンピングカー=8ナンバー」と定義すると、現在のこうしたキャンピングカーショーの展示車は大きく減ってしまうかもしれません。また、「8ナンバーだからよく売れる、3ナンバーだから売れない」ということもないようです。
8ナンバーを満たすためには「乗車定員の1/3以上が就寝可能であること」、「10Lタンク以上の水道設備」、「コンロなどの炊事設備(床面から1600mm以上の高さが必要)」などを満たす必要があります。スペースが犠牲になるだけでなく、価格も跳ね上がるなど、わずかなランニングコストに対してイニシャルコストの面でも割が合わない場合もあります。
かつて、90年代を中心としたRVブーム時代に改造して8ナンバーを取得していた人も見かけましたが、キャンピングカーの8ナンバー登録が厳格化された2001年以降はかつてのような簡単な改造では8ナンバーの取得ができなくなりました。
実質的な利点としては、車検が2年ごとで済む(その分初回も3年から2年になる)くらいしかありません。
確かに、自動車税は排気量により2割程度安くなり、重量税も2000kg以下の場合だと半額くらいで済みます(重さにより異なります)が、自賠責保険は若干8ナンバー(特殊用途自動車)の方が高く、車両保険(任意保険)も自家用乗用車よりもかなり高いのが一般的。また、車検費用も法定費用以外の検査費用が割高になることが多いそうです。
結果、車検や税金、保険(任意保険含む)をトータルで考えると年間コストの差は変わらないというのが現状。
こうして8ナンバー以外のキャンピングカーが急速に増えているいま、何ナンバーで登録されるかよりも、ユーザーにとって「何が不要で、何が必要か」という視点から選ぶ時代に入っていると言えます。
(文/写真 塚田勝弘)