2016年を振り返ると、ホンダは「NSX」を復活させ、ダイハツはユーザー層を絞り込んだ「ムーヴキャンバス」を投入し、トヨタは個性派SUV「C-HR」の販売を始めるなど、キャラクターが非常に濃いモデルの登場が目を引きました。
また、その一方で、2017年に市販化されるモデルも数多くアナウンスされていました。そこで、発売が間近に迫った注目の新モデルをまとめてご紹介いたします。
■トヨタ・プリウスPHV
トヨタの新しいクルマづくりのコンセプトであるTNGAのもと、実用性と低燃費性能さらには走る歓びまで、全方位で進化した「プリウス」。また、ガソリンではなく圧縮水素を用いて走る燃料電池車「MIRAI」の販売を始めるなど、エコカーのさらなる普及と発展を進めるトヨタが次世代環境車の柱とする「プリウスPHV」の発売が迫っています。
PHV(プラグインハイブリッド)を冠する「プリウスPHV」は2012年から販売されていましたが、この2代目「プリウスPHV」ではリチウムイオンバッテリーの容量を2倍として60km(目標値)の距離を、またモーターとジェネレーターを駆動に使う新機構「デュアルモータードライブ」の採用により135km/hまで、ガソリンを使わずに走行可能とのこと。
急速充電器を使えば約20分で80%の充電なうえに、ルーフに備わるソーラー充電システムが駐車中でもバッテリーへ充電を行なうため、ますますガソリン代の節約に貢献。しかも蓄えた電力はAC100Vコンセントを介しても使えるので、災害時に家電用品を動かせるのも魅力。クルマの使い方がますます変わっていくことを予感させます。
■マツダ・CX-5
マツダ躍進の引き金となったSUV「CX-5」。16年12月にフルモデルチェンジが発表され、17年2月2日に満を持して発売されます。
マツダのモデルはいずれも一括企画というコンセプトのもとで開発されており、例えばシャシーやパワートレーンなどを共有することで、開発そのもののスピードを早めるほか、新機能を様々なモデルへ迅速に展開させています。
新型「CX-5」でも、搭載する2.2LディーゼルエンジンにはDE精密過給制御やナチュラル・サウンド・スムーザー、ナチュラル・サウンド・周波数コントロールを搭載はもちろん、「アクセラ」に採用された新世代車両運動制御技術の第一弾「G-ベクタリングコントロール」も装備されるなど、マツダの粋が詰まっています。
内外装のデザインと質感は全面刷新。REFINED TOUGHNESS(洗練された力強さ)をキーワードに、エクステリアはよりダイナミックかつエレガントなフォルムとなり、その美しさを一層際立たせる新色「ソウルレッドクリスタルメタリック」を開発。インテリアはドライバーを中心に操作系の配置を見直したほか、素材や加飾の質感向上と形状の最適化によって走行時の騒音も低減するという徹底ぶり。また一段と進化を果たしたマツダの実力に注目です。
■スズキ・スイフト
2016年末に駆け込みでデビューし、すでに1月4日から販売がスタートしている新型「スイフト」。
エクステリアではリヤドアハンドルを目立たないように処理することでクーペのようにスタイリッシュに、インテリアではナビやエアコンを運転席側に5度傾けたほか、D型ステアリングを採用するなど、全体的にスポーティを強調した装いとなっています。
その新型「スイフト」では走りも見所。先代から120kgもの軽量化に貢献した「HERTECT(ハーテクト)」と称する新プラットフォームを採用し、搭載するパワートレーンは1.2Lエンジンにモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドだけでなく、1.0L直噴ターボエンジンと6速ATの組み合わせも用意。さらに「RS」を冠するグレードでは、欧州仕込みの足回りとタイヤとステアリングも備わり、走りを盛り上げます。
その一方、「スイフト」は世界を舞台に戦う実用車でもあります。新型では新プラットフォームにより室内空間は拡大し、さらにカメラとレーダーを併用する安全システム「デュアルセンサーブレーキサポート」は自動ブレーキだけでなく、先行車との速度差や距離を測定して自動的に追従走行もこなすほど。