ダイハツ・タント向け「スマートアシスト3」の小型ステレオ画像センサーをデンソーが開発

デンソーは、軽自動車にも搭載できる小型のステレオ画像センサーを開発しました。

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今回デンソーが開発した画像センサーは、車両用ステレオ画像センサーでは世界最小(2016年11月現在デンソー調べ)で、2016年11月に発売されたダイハツ・タントの衝突回避支援システム「スマートアシスト3」に採用されているということです。

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車載用画像センサーは、カメラで道路上の白線や前方の物体を識別する部品で、1個のカメラによる単眼カメラ型と、左右2個のカメラによるステレオカメラ型があります。

今回デンソーが開発したセンサーは、左右2つのカメラを搭載して対象物までの距離を正確に測定でき、緊急時の対車両、対歩行者の衝突回避支援ブレーキ機能、車線逸脱警報機能、さらにロービームとハイビームを自動で切り替えるオートハイビームなどに使用されています。

軽自動車向けの画像センサーでは、小型の車体に搭載しやすくすることが求められていました。ところが、ステレオカメラは測定可能な距離と2つのカメラ幅(基線長)に比例するため、必要な測定距離を確保するためには画像センサーの大きさを大きくする必要がありました。

新開発の画像センサーでは、高精度なレンズ歪み補正とステレオマッチング技術を駆使して、求められる測定距離は満足しながら、カメラ幅を半減するとともに、センサーを制御するECUを一体化することで、製品サイズを幅125mm(カメラ幅:80mm)×高さ35mm×奥行き85mmにおさえる小型化に成功しています。

これにより軽自動車のルームミラーの裏側にも画像センサーを搭載することができ、ドライバーの前方視認性を確保するとともに、画像センサーをフロントガラスのワイパーの作動領域に搭載することができ、雨天や異物付着時の信頼性を確保しています。

軽自動車市場でも予防安全機能は大きなセールスポイントとなるために、今回のデンソーの軽自動車向けステレオ画像センサーが、今後ダイハツ以外の軽自動車メーカーに採用されるかに注目が集まっています。

(山内 博・画像:デンソー)