選考委員の持ち点は20点。そのうち10点を1位のクルマに、残り10点を2位から5位までに最高9点で投票するというこれまで聞いたこともないような斬新で独自の配点方法(たぶん)で投票がおこなわれる、clicccar主催の「CCOTY(クリッカー・オブ・ザ・イヤー)」。
ボクが1位として10点を投票したクルマは、8月にデビューしたホンダNSX。
どうしてNSXか?
その前に僕の配点に対する基準を言っておくと、「1位」に関しては数年後に振り返ったときに「あの年はあの車が出たよね」と誰もが素直に納得するかどうか。つまりその年を代表する1台としてふさわしいか否か。
では、どうしてNSXか?
その存在自体に敬意を払っているから。
何しろ、泣く子も黙るNSX。1990年に登場し世界のスーパーカー作りを変えたNSXの待ちに待った新型。ランボルギーニやマクラーレンのボトムモデルと並んだ価格と存在感。モーターが生み出す異次元のコーナリング。凝りに凝った車体設計とパワートレイン。オーラに包まれた、日本車とは思えない存在感。
そんな新型NSXを高く評価するなっていうほうが無理。ホンダの、いや日本を代表するスーパーカーじゃないか。
えっ、アメリカで開発されてアメリカで生産されているんだから「日本を代表していない」って?そんな細かいことを言っている場合じゃない。どこで開発しようが、どこで作ろうが「日本車は日本車」なのだ。
胸に手を当てて考えてごらんなさい。広島で開発して広島で生産するイタリア車の「アバルト124スパイダー」を日本車とは言わないでしょ?
閑話休題。
そんなNSXなのに、僕としては本家の日本カー・オブ・ザ・イヤーをはじめ国内の代表的な賞において大賞を受賞していないのはちょっと信じられない。賞の規約に合致していないからエントリーできなかったという事情があるにせよ、NSXが2016年を代表する1台に選ばれないというのは神に対する冒涜に近い暴挙といっていい。本当にそれでいいのか?
NSXを「2016年を代表する1台にしたい」。だから僕は新型NSXに最高得点を与えたのである。
(工藤貴宏)
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