最終戦アブダビGPで幕を閉じた、今シーズンのF1。全21戦、開幕前は随分多いなと思っていましたが、終わってみるとあっという間でしたね。
そして、ニコ・ロズベルグ選手(メルセデス)が悲願のワールドチャンピオンを獲得! ワールドチャンピオンをかけたチームメイトバトルは終始ドキドキしっぱなしで、最終戦にふさわしい素晴らしいレースでした。
12月1日(木)発売の「F1速報アブダビGP号」はアブダビGPの模様はもちろん、今季でF1から完全に引退すると宣言し、私達ファンを驚かせたジェンソン・バトン選手(マクラーレン)の特集も見逃せません!
■CHAMPION’S VOICE ニコ・ロズベルグ
初めてF1世界選手権を制したロズベルグ選手。何度も感極まって涙を浮かべた記者会見の様子をお届けします。
── 今シーズンが自分のものになる、と思ったのはいつ頃でしたか。
「シーズンの最初には感じていた。開幕4勝したからね。でも、その時点でチャンピオンシップについて考えるのは大間違いだってことは十分分かっていたよ。なんたって、ルイスがチームメイトで、彼はいつだって応戦してくるし、本当に手強い相手だからね。でもすごいチャンスがあると思っていたし、それを掴むしかなかった。」
──プレッシャーを実感し始めたのはいつですか。
「すべてが自分の手の中にあるって感じた頃、プレッシャーを感じ出した。つまり鈴鹿の後だね。」
──ルイスのペースがあれほど遅ければ、追い抜くこともできたのでは。
「できなかったよ。時々試してみたけど、ルイスのドライビングは本当にすごかった。ターン21からセクター1を通過して、セクター2の中盤まで全開で行くから、そこにオーバテイクのチャンスがあるんだけど、一度も近づくことができなかった。僕と同じマシンだから、高速コーナーで追い抜けるはずもないし、次のセクションでは追い越しようがないから手を引くしかない。どうしようもなかったんだ。」
──ご両親がサーキットに来ていましたね。栄光の瞬間に家族が一緒にいるというのは、どんな気持ちですか。
「まだ父と会えていないんだ。母としか話していないから、早く会いたいよ。土曜日の夜に、いつもメールしてくれるんだ。たいてい『明日は全速力で行けよ。以上!』とかね。つまりそれが彼のアドバイスってわけだ。父も母も欠かせない存在になっている。母はプライベートな生活を支えてくれているし、父はキャリアを積むサポートをしてくれている。本当に心強いよ。父が導いてくれたこと、そして一歩下がっていてくれることは、すごく助かっている。僕らにとってはそうすることがうまくいく秘訣なんだ。今日もまさに今、一歩引いて見守ってくれていることは間違いないしね。」