高齢ドライバーにより重大事故のニュースが目立っています。報道というのはバイアスがかかりますから、ニュースが目立っているからといって発生件数が多いとは限りません。高齢者が原因の死亡事故件数はけっして多くないという報道もあります。実際、死亡事故を起こしている年齢層でいえば40~44歳が多いのですが、これは母数となる人口が多いことに起因していると考えるのが妥当でしょう。
そこで事故の起こしやすさを示す数字に当たってみることにしましょう。今回、参考とするのは警察庁が発表している『平成28年上半期の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締状況について』。その中に、「原付以上運転者(第1当事者)の年齢層別免許保有者10万人当たり死亡事故件数の推移」というグラフと表が載っています。第1当事者というのは簡単にいうと事故の原因を作ったドライバー(ライダー)という意味。しかも、免許保有者当たりの事故件数ですから、人口比と関係なく、死亡事故を起こしやすい年齢層が見えてくるという重要なデータになります。
結論からいえば、死亡事故を起こしやすい免許保有者は85歳以上になっています。全体としての平均件数が1.93なのに対して、85歳以上では10.14となっています。とはいえ、これでも減っているほうで、過去には14.18(平成21年)と飛び抜けて高い年もありました。