最終戦鈴鹿で新チャンピオン誕生!バンドーンは有終の美【スーパーフォーミュラー2016】

つづくRACE2。予選3番手の国本選手はグリッドでも平常心のように見えましたが、実際の闘志はかなり燃え上がっているのではないでしょうか。

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好スタートを切ったのはDOCOMO TEAM DANDELION RACINGのストフェル・バンドーン選手。石浦選手のスタートも堅実ではあったものの、バンドーン選手のロケットスタートはそれを大きく上回っていました。

最もチャンピオンに近いはずの国本選手はスタートに失敗し、スタート周のS字コーナー進入では6位まで後退してしまいます。

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その後のバンドーン選手はかなりの勢いに乗って周回を重ねていきます。

RACE2は35周という比較的レース距離の短い周回数ですが、タイヤ交換義務があるために1周目からタイヤ交換でのピットインをするチームも比較的多く、4番手を走行していたVANTELIN TEAM TOM’Sの中嶋一貴選手などもピットイン。4番手以降の順位が大きく変わります。

ランキングトップの国本選手、第5戦岡山のRACE2では1周目ピットイン作戦で優勝をもぎ取りましたが、今回はなかなかピットインをしません。23周目に各車ピットインをした段階でも、国本選手とKONDO RACINGのジェームス・ロシター選手はピットインをしていません。

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24周目にREAL RACINGの伊沢拓也選手がスプーンコーナーでクラッシュしセーフティーカー導入となると、23周目には暫定トップとなっていた国本選手がやっとピットイン。タイヤ交換をしてコースに復帰します。このときの順位は7位。トップはバンドーン選手に。国本選手は優勝からは程遠い位置となってしまいます。

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27周目にセーフティーカーが解除されると残り7周はスプリントレースの様相。バンドーン選手のトップは変わらず。ここで2位の石浦選手と3位のロッテラー選手がオーバーテイクシステムを使って追い上げようかという矢先、29周目最終コーナーでTEAM 無限の山本尚貴選手がクラッシュ!

またしてもセイフティーカーが導入されます。

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32周目にセーフティーカーが解除されると、残り4周。ここでレースが大きく動きます。3番手を走行していたロッテラー選手が石浦選手をオーバーテイク!2位に浮上しバンドーン選手を追いかけます。ラップタイムはロッテラー選手のほうが速く、見る間に差をつめてきますが、バンドーン選手も動じません。

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ロッテラー選手はバンドーン選手を0.7秒台まで追い詰めますが、もうそこはファイナルラップのコントロールライン。トップチェッカーはバンドーン選手の頭上で振られることになりました。

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国本選手は6位でフィニッシュ。このチェッカーで2016年スーパーフォーミュラーのシリーズチャンピオンが決定。

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来年からマクラーレンからF1に参戦することが決定しているバンドーン選手にとって、日本でのシリーズ参戦はこの鈴鹿戦が最後となります。

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その最後のレースを優勝で飾ったバンドーン選手は、まさに有終の美。

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同じパルクフェルメでは、チャンピオンとなった国本選手が、予選、決勝を含めて2日間のレースで初めて満面の笑みを見せてくれました。

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2016年スーパーフォーミュラーで新しく誕生したチャンピオン、国本雄資選手。スーパーフォーミュラーの大きな大きなトロフィーに、国本選手の名前が刻まれることとなりました。

(写真・文:松永和浩)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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